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2015/06/26

【大和総研】5月雇用統計~就業者の増加により、着実な改善が続く

| by:ウェブ管理者
監査等委員会設置会社への移行を検討している企業は全体の48.7%

コーポレートガバナンスの基本形態といえる機関設計において、「直近の見直しを前提に検討している(または見直しを公表済み)」あるいは「中長期的には見直しを検討する可能性がある」と回答した企業が、合わせて56.4%と回答企業の過半数を占めました(図1)。さらに、その中の86.5%が、見直し後の機関設計として「監査等委員会設置会社*1」を想定しています(図2)。これらから、回答企業の48.7%が、「監査等委員会設置会社への移行」を検討していることが明らかになりました。本年5月1日の会社法改正によって、新しい機関設計として認められた監査等委員会設置会社に、今後多くの企業が移行していく動きが確認できました。
コード適用を自社のガバナンス再考の機会にする企業は64.0%

コードに対応するスタンスについては、「自社のガバナンスを再考する機会にする」との回答が64.0%(複数回答)にのぼりました。これは選択肢の中でもっとも多い回答です。それに続いては、「世の中動向を見極めて対応する(50.4%)」「中長期的な企業価値向上の在り方を再考する機会にする(33.5%)」となっており、積極的スタンスと消極的スタンスの回答が混在しました(図3)。

消極的スタンスの企業が多く存在する傾向は、社内におけるコードの検討体制にも表れており、「経営企画部、IR部署等が主体となり検討を実施している」が68.2%(複数回答)と最も多い一方、「トップイシューとして、経営陣が主体的に検討に参画している」企業は29.7%と、回答企業全体の3分の1以下という結果となっています(図4)。

コードの適用によって認識する自社の経営課題・取組内容としては、「自社としてのコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方の再構築」をあげる企業が66.5%(複数回答)と最も多く、3社に2社はこれまで明確に定めてこなかったガバナンスのあり方について、検討をしている状況が確認できます(図5)。 

最も対応に苦慮しているコードは、「政策保有株式に関する対応」

対応に苦慮しているコードとして、「主要な政策保有株式」をあげる企業が28.0%(複数回答)と、最も高い結果となりました。

政策保有株式に関するコードは、株主総会後6カ月以内の開示を義務付けられた11項目(全体は73項目)の一つであり、9割以上の企業が開示に向けた準備を行っていると回答しています(図6)。多くの企業で持ち合い株式の解消を含め、今後の政策保有株式の保有目的について、明確な方針を打ち出す必要性に迫られています。

なお、次いで対応に苦慮しているコードは「情報開示の充実」(27.1%)「取締役会全体の実効性の分析・評価」(25.4%)という結果でした。

外国人持ち株比率の高い企業ほどガバナンス改革に前向き

コード対応を含めたガバナンス改革については、企業属性や経営の内容とも関連性が認められます。例えば、東京証券取引所の指定開示項目に関して、外国人持ち株比率が30%以上の企業群では「株主総会後1カ月以内の開示」を予定している企業群が29.7%で、外国人持ち株比率30%未満の企業群と比較して、開示に対して積極的な姿勢が見られます(図7)。

同様に、外国人持ち株比率が30%以上の企業群では、「取締役会の実効性に関する分析・評価を現在行っている(13.5%)」「今後は分析・評価を実施して開示する予定である(83.8%)」と、外国人持ち株比率30%未満の企業と比較して、ガバナンス改革について前向きな姿勢を示しています(図8)。

これらの結果から、コードの適用によって「攻めのガバナンス」に向けたコーポレートガバナンス改革に積極的に取り組む企業と、消極的な対応にとどまる企業とにスタンスが分かれていく可能性があることがうかがえます。

NRIではコーポレートガバナンス改革の本格化を見据え、今後も、コーポレートガバナンスに関する調査を継続し、企業の「攻めのガバナンス」体制構築に向けた活動などを支援していきます。

*1監査等委員会設置会社:
3人以上の取締役で構成する「監査等委員会」が、取締役の業務執行が適正かどうかをチェックする経営形態の株式会社です。2015年5月1日施行の改正会社法で導入されました。


原文はこちら
http://www.dir.co.jp/research/report/japan/sothers/20150626_009868.html

18:16 | 金融:証券
 

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