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2015/11/20

【日本IBM】IBMとOpenPOWERメンバーが、 ビッグデータ時代に不可欠な処理速度を実現するアクセラレーション・テクノロジーを創出

| by:ウェブ管理者
IBM(NYSE:IBM)は本日(現地時間)、OpenPOWER Foundationの主要メンバー数社とともに、詳細なデータ分析ならびに分析速度の飛躍的な向上を可能にする、新しいテクノロジー、コラボレーション、開発者向けシステム・リソースの展開を発表します。これらの新たなオファリングは主に、IBMのオープンでライセンス提供可能なPOWERプロセッサーと、高性能計算用の専用プロセッサーであるアクセラレーターの緊密な統合に関するものです。

今回発表する数々のオファリングは、モノのインターネット、機械学習、その他コグニティブ・コンピューティング・アプリケーションに最適なサーバー・プラットフォームを模索するお客様にとって、まさに待望の内容となっています。IBMとOpenPOWER Foundationのアクセラレーター・ワーキンググループに所属する90社を超えるメンバーは、オープンな協業モデルによって、アクセラレーターを活用したさまざまなソリューションの開発を行っています。

IBMフェロー兼OpenPOWER Foundationプレジデントであるブラッド・マクレディ(Brad McCredie)は、次のように述べています。「コグニティブ・コンピューティングという新たな時代をむかえた企業にとって、データ解析の領域で競合他社に負けることは許されません。私たちに求められているのは、データ・アナリティクスを支える、分析処理性能を強化したシステムです。IBM、そしてOpenPOWERのフェロー・メンバーは、この目的を実現するためのテクノロジー開発に向けて、最前線で取り組んでいます。それは、業界初、かつ、オープンなプロセッサーとアクセラレーターの高速な相互接続方式の開発を含む、すべてのテクノロジー階層での革新的テクノロジーの開発です」

OpenPOWERメンバーの取り組み

POWERプロセッサー・アーキテクチャーを基盤とするアクセラレーション・ソリューションに関連する新しい製品、コラボレーション、および投資分野は以下のとおりです。
Watsonのアクセラレーション:米国のクイズ番組「Jeopardy!」で一躍有名になったIBM Watsonの分析能力は、人とコンピューターの間に新たな関係性をもたらし、全世界のさまざまな業種に新しい可能性を提供しています。IBMは本日、NVIDIA Tesla Accelerated Computing Platformの主力製品であるNVIDIA Tesla K80 GPUを、WatsonのPOWERベース・アーキテクチャーに採用したことを発表しました。これにより、Watsonが提供するRetrieve and Rank API(抽出検索、ランキング)の処理速度が、これまでと比べ1.7倍になります。処理速度の向上によりWatsonが提供するクラウド・サービスは、より優れたコスト性能を実現します。たとえば、健康や保険に関する個人からの問い合わせに対応するコールセンターの運営会社では、Watsonの自然言語処理テクノロジーを利用することで、問い合わせに対する回答時間を短縮することで、顧客満足度の向上に加え、サービス・コストの削減を実現できる可能性があります。GPUの採用により、応答時間の短縮だけでなく、Watsonの処理能力そのものも以前の10倍になります。
Xilinxとの戦略的提携:OpenPOWERの最も新しいプラチナ・メンバーであるXilinxとIBMは本日、データセンターの構築とネットワーク機能仮想化(NFV)ソリューション開発に向けた、複数年規模の戦略的提携を発表しました。この連携によって、ハイパフォーマンス・コンピューティング、コグニティブ・コンピューティング、機械学習、ゲノミクス、ビッグデータ・アナリティクスといった最先端のワークロードの実行を念頭に、Xilinx FPGAアクセラレーターを基盤とし、システム、ソフトウェア、管理コンポーネントが集約されたソリューションが開発される予定です。
ネットワークのアクセラレーション:Mellanoxは、システム・パフォーマンスを約10倍改善すると見込まれる世界初のスマート・ネットワーク・スイッチSwitch-IB 2を発表しました。また、NECが発表したExpEtherテクノロジーもPOWERアーキテクチャー・ベースのシステムに最適化されています。さらにNECでは、新たな価値創出の取り組みとして、IBMの革新的テクノロジーであるCoherent Accelerator Processor Interface(CAPI)を活用したコンピューティング・アクセラレーションの提供開始を2016年に予定しています。
OpenPOWERベースの新しいシステム:OpenPOWERのメンバー企業であるE4 Computer EngineeringとPenguin Computingの両社は、 OpenPOWERの設計思想を活かし、IBM POWER8とNVIDIA Tesla GPUアクセラレーターが搭載された新しいシステムを発表しました。
IBMの主力アプリケーションの移行(ベータ段階):IBMでは、モノのインターネット、Spark、ビッグデータ、コグニティブ・コンピューティング分野におけるIBMの主要アプリケーションのPOWERアーキテクチャーベースアクセラレーターへの対応を推進しています。

開発者向けに幅広いシステム・リソースを展開

POWERベース・システムとアクセラレーターの組み合わせの利点を活用したアプリケーションの構築、移植、最適化のためのテスト・サーバーに対する開発者からの要望の高まりに対応し、IBMとOpenPOWERメンバーは、POWERベースのアクセラレ-ション環境を無償利用できる拠点とクラウド・サービスのグローバル・ネットワークを構築しました。新たに発表もしくは、強化されるサービスを以下に紹介します。
SuperVesselにおけるGPUサービスの拡張: NVIDIAとIBMは、6月に開始されたグローバル・クラウド・ベースのOpenPOWER環境である、SuperVesselをGPUで加速化することを共同で推進しています。SuperVesselは現在、GPUによる計算の高速化サービスを提供しています。ユーザーは高性能なNVIDIA Tesla GPUにアクセスして、Caffe、Torch、Theanoなどのディープラーニング・フレームワークをSuperVesselクラウドから即座に開始できます。
SuperVesselにおけるFPGAサービスの拡張:XilinxとIBMはSuperVesselで新しいFPGAアクセラレーター・サービスを開発しました。このサービスで、開発者はクラウドを通じて、CAPIインターフェースを持ったアクセラレーターを再構成可能な形で使用できます。C、C++、OpenCLによるプログラミングが可能なので、機械学習、ビッグデータ・アナリティクス、HPCのようなアプリケーションでのFPGAの活用方法が飛躍的に拡大しています。
テキサス大学オースティン校の新クラスター: OpenPOWER Foundationの新メンバー、テキサス大学オースティン校のテキサス先端計算センター(TACC)とIBMは、学術研究者および開発者がPOWER8ベースの高速計算クラスターを使用できるようにすると発表しました。この新クラスターは現在、初期ユーザー・モードで正常に動作しており、今週にもアクセス・リクエストの受付を開始します。
オレゴン州立大学のオープンソース研究所の拡張: オレゴン州立大学のオープンソース研究所(OSUOSL)は既存のOpenStackクラスターのPOWER8ベース・システムの設置面積を拡張し、計算およびメモリー容量を追加しました。この拡張により、OpenPOWER/OpenStackインフラストラクチャーで研究開発をサポートできるユーザー数を大幅に増やすことができます。

オープン・アクセラレーションがリードするIT標準の次なる方向性

IBMのお客様の数社は、POWERプロセッサーとアクセラレーター・テクノロジーとを組み合わせることで、業界にイノベーションを起こすような圧倒的なパフォーマンスを実現することができること、そしてその方法を理解しています。
Allegiant Travelのデータ・アーキテクチャー担当役員であるブライアン・オニール(Bryan O'Neil)氏は、次のように述べています。「企業が保有しているデータには莫大なチャンスが含まれています。データの中からいかに速く洞察を得ることができるかが競争の激しい現在の業界での勝者と敗者を分かつのです。IBMとOpenPOWERのメンバーは、当社の業界で必要な、リアルタイムの意思決定を可能にするアクセラレーション・テクノロジーを提供してくれています。Allegiant Travelは、OpenPOWERが提供するアクセラレーション・テクノロジーに強い感銘を受け、来るべきコグニティブ・ビジネスへのたゆみない道筋として、それらのテクノロジーを我々のデータセンターで活用していくことを切望しています。
先月、ベイラー大学、ベイラー医科大学、およびライス大学に籍を置く遺伝学者で、コンピューター科学者でもあるエレズ・リーバーマン・エイデン(Erez Lieberman Aiden)氏が率いる著名な研究者のチームが、画期的なゲノミクス研究で世界的に認められました。高く評価されたのは、細胞の核内でのヒトゲノムの三次元配列を驚くべき精密さで修正するために考案された、新たな手順に関する研究です。本日、この偉業は、NVIDIA Tesla GPUによって加速化されたPower SystemsとMellanoxネットワーク・インフラストラクチャーを利用して、ヒトゲノムの3Dマップを構築し、周囲のDNAに悪影響を及ぼすことのないこの外科的処置に対するゲノムの反応をモデル化することによって成し遂げられたことが、同チームによって明らかにされました。
ルイジアナ州立大学は、OpenPOWERサーバー・プラットフォームを基盤にした新たなスーパーコンピューター「Delta」の発表に続いて、アクセラレーション・テクノロジーを利用したIBM POWER8ベースのサーバーが、アクセラレーション・テクノロジーを使っていないIntel XeonベースのLSU HPCサーバーと比べて7.5倍~9倍にも上るパフォーマンス向上をどのように実現したかについてのホワイト・ペーパーを公開しています。*1


原文はこちら
http://www-06.ibm.com/jp/press/2015/11/2002.html

18:04 | IT:一般
 

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