記者発表は、NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 CTO, CISO 栗島 聡氏より、2016年3月期第3四半期決の実績と見通し、事業環境と最近の取組みや今後の見通しについて説明が行われた。
第3四半期実績では、売上高は1兆1,453億円(前年同期比7.3%)、四半期純利益は439億円(前年同期比102.1%)と好調に推移しており、金融セグメントにおいて銀行・協同区組織金融機関向け案件が拡大するなど、受注高および売上高においては公共・社会基盤および法人・ソリューションなど全てのセグメントで増加・増収となった。営業利益においても金融セグメント(前年同期比+146億円)が大きくけん引した。
およそ4年前に設定した中期経営計画の目標値(2016年3月期)の達成まであと2ヵ月と迫る中、順調な進捗との認識ではあるものの、不採算案件の追加損失発生のリスク、海外の事業関係の不透明さ、法人税率の変更による財務的な影響など考えていく必要があり、売上高1.5兆円超はほぼ確実といえるが、EPS(一株あたり利益)200円の達成は現時点では楽観視できないとし、最後まで気を引き締めて経営を進めていくとした。
また、最近の事業環境と今後の見通しについては、以下のように語った。
公共・社会基盤においては、マイナンバー制度の導入や地方創生の議論などあるものの、全体的に競争激化によるコスト削減要求も高まっており、厳しい環境にあるとした。その上で、システム更改案件を着実に受注し、環境変化に応じて新しいサービス提供を行い事業の幅を広げていくと共に、テレコム業界などでは電力の自由化などの動きもあり期待している。
金融においては、国内IT投資は引き続き慎重ではあるものの、銀行間決済の24時間365日化や決済の高度化・グローバル化ニーズ、FinTechへの関心の高まりもあり、今後、積極的な事業活動をしていきたい。
法人・ソリューションにおいては、国内景気全般の見通しは依然として不透明ではあるものの、オムニチャネルやIoTなど流通業や製造業におけるIT投資には期待が持てるとし、ペイメント、ネットワーク、データセンター、クラウドなどソリューションを集約させており、このような状況に積極的に取組んでいきたい。
グローバルにおいては、北米、中南米、ヨーロッパ、アジアといった地域別に、その状況と見通しについて解説した。
続いて、全体における質疑応答が行われ、記者発表会は終了。その後、記者による個別の質問や挨拶が行われた。
「Global IT Innovator」をグループビジョンとして掲げ、事業のサービス化、グローバル化を推し進めているNTTデータグループ。日本社会基盤の根底を担う数多くの重要な社会インフラ/システムを運営する中、FinTechをはじめとする新たな技術革新とライフスタイルの変化が急速に広がっている世界の潮流を捉え、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献するという同社の今後の展開に注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )