2015年4月22日(水)、グッドウェイは、サンガード・ジャパン Apex Collateral, Asia Pacific セールスディレクター コルム・ゴーグラン氏、マーケティングディレクター 馬 悦氏を訪ね、企業規模の担保管理と最適化のための革新的ソリューション「Apex Collateral」の責任者としての立場から、今後の取組みについてインタビューを行った。
金融危機後の規制改革により、先進的な担保管理の必要性が急激に高まっている中、バーゼルIII規制の自己資本比率規制および流動性に関する枠組みと、OTCデリバティブ市場の大規模な改革(ドッド・フランク法、EMIRなど)の並行導入が、担保の大幅な逼迫を引き起こしている。また、標準化されたデリバティブは中央清算機関(CCP)を通じて清算するように要求され、集中清算されないデリバティブには、より高い資本費用と重い証拠金規制が適用される見通しだという。
サンガードでは、担保資産プールを広くOTCデリバティブ、再保険担保、レポ、および証券貸借にわたって見渡すことのできる一元化された全体像を可視化し、この透明性により、取引先リスクを軽減しながら、担保資産から最大限の価値を引き出すことを可能にするソリューション「Apex Collateral」を提供している。
コルム氏はブラックロックやJPモルガンで担保管理ビジネス領域で豊富な経験を有しており、現在はサンガードのアジアパシフィックにおいて、シンガポール、オーストラリア、日本を中心に「Apex Collateral」のビジネスデベロップメントを行っている。普段はシンガポールに勤務しているが、2015年5月~8月まで東京に長期滞在し、日本での活動を本格化する。これまでサンガードが日本において長く積み上げた信頼と実績をベースに、メガバンク、証券会社、運用会社、地銀などへのコンサルティングを行う中で、この新しいソリューションを紹介していくという。
コラム氏によると、金融機関が直面している主な課題として、サイロ化した担保の統合、清算集中型デリバティブとOTCデリバティブを処理するためのインフラ構築、さまざまな担保要件を満たす資産配分の最適化、担保の取扱量の増大への対応、業務効率の改善、担保コストの取引価格への反映、リスクと規制に起因するリコンサイルなどが挙げられるという。
その上で、それらの課題への対処として、包括的なリアルタイムのクロスアセット担保残高管理、担保取引と証券金融のツール、担保の最適化、証拠金とリスクの分析、担保の運用プロセスの合理化と自動化を単一のプラットフォーム上で実行できる環境の整備が欠かせないとした。また、中央清算機関(CCP)や市場データプロバイダーをはじめとする外部システムとの接続モジュールの必要性について触れた。
そして、金融危機後の現実の中で、担保管理は資本市場ビジネスの方向性を決する基幹運営機能として、その社会的な役割と利点はとても大きいと締めくくった。
今後の国際的な規制変更の動向と対応期限をにらみつつ、グローバルで利用されているシステムとそのベストプラクティスを活用し、早期に手を打っていく必要がありそうだ。
サンガードは、アセット・マネジメント、ブローカレッジ、バンキング、資本市場、コーポレートリクイディティ、ウェルス・マネジメントのほか、保険やエネルギーなどのセクターに向けて、世界の金融システムを支えるソフトウェアを常に発展させるというミッションのもと、25年もの間、システム管理およびソフトウェア開発に携わり、その経験をもってグローバルに金融業界をリードしている。今後の取り組みに注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作:藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ )
APEX COLLATERAL について
サンガードの Apex Collateral ソリューションは、全組織規模で担保の管理と最適化に取り組む担保トレーダー、取引デスクの責任者、リスク管理担当者、業務スタッフ、および経営幹部を支援します。Apex Collateral が提供する単一のプラットフォームを利用することで、リアルタイムの一元化された総合的な担保残高から直接取引できるほか、その基盤となる証券貸出、レポ、およびデリバティブ取引に関するさまざまな運用要件を満たすことができます。このソリューションでは、数値アルゴリズムを使用して担保を最適な方法で自動的に配分することから、金融機関は、コストを最小化し、資産から得られるリターンを最大化することができます。詳細については こちらをご覧ください。