OTCデリバティブ清算システムでは、取扱高の拡大などを背景にデータ件数が急増しており、リスク分析の処理時間が増してきているなど、パフォーマンスの向上が急務となっていましたが、一番の課題であるI/Oボトルネックの抜本的な解消のため、ストレージの刷新を図ることを決断しました。性能検証では、現行の本番環境と比較して、I/O負荷の高いバッチ処理を6倍から10倍高速化できることや、これまで数分かかっていたトレード2000件のリスク計算処理により発生する約200,000レコードの書き込み処理が0.5秒未満で完了するなど、I/Oボトルネックを排除できることがわかり、フラッシュ・ストレージの採用を決定しました。また、フラッシュ・ストレージとあわせて「IBM System Storage SAN ボリューム・コントローラー(SVC)」を採用することで、ストレージを仮想化し、従来利用してきた他社製共有ストレージの活用や、セカンダリサイトとのデータ同期の実現を図ります。
また、今後さらに取引件数が増大した場合にCPUリソースの増強が必要となることから、OTC清算参加者向け新テスト環境の構築に、最新CPUを搭載する 「IBM System x3850 X6」を採用します。「IBM System x3850 X6」は、現時点での最新CPUによる高いパフォーマンスを提供するとともに、将来的にCPU能力の向上が必要となった際には筐体ごとのリプレースではなく「コンピュート・ブック」と呼ばれるモジュールを交換するだけで最新CPUにアップグレードが可能です。 「IBM System x3850 X6」は、CPUやメモリーの信頼性と自己回復力を向上させることで、ハードウェアの停止リスクを軽減し、堅牢なシステム基盤の構築を支援する「第6世代エンタープライズX-アーキテクチャー(X6)」を採用するIBMの最新のラック・マウント型サーバーです。