続いて、NTTドコモ・ベンチャーズ DOCOMO Innovation Village Director 北 周一郎 氏が登壇。全NTTグループのベンチャー窓口として同社の取組み概要を紹介、Seed/EarlyからLaterまでさまざまなステージで資金提供や協業支援などベンチャー投資を行っているほか、ドコモ・イノベーションビレッジなど起業支援を行っているという。2013年2月の会社設立以来、現在までに24件のベンチャー企業に投資(国内14社、海外10社)、1社平均1.3億円で、主な投資領域として、コマース、メディア・コンテンツ、安心・安全、M2M、クラウドなどの分野に整理し、ポートフォリオ(投資先企業実績)を披露した。また、ドコモ・イノベーションビレッジ(第3期プログラム)に参加したMoneySmart社が、みずほ銀行と野村総合研究所と連携し、邦銀で初の試みとなるウェアラブルデバイスを活用した「みずほダイレクトアプリ(Apple Watch対応)」について紹介、これからもアライアンスをどんどんやっていきたいとした。
そして、メインプログラム「Ask the VC: 日本におけるFintechへのVC投資」では、Fidelity Growth Partners Head of Japan デービッド ミルスタイン 氏(Mr. David Milstein)が登壇。「Japan Fin-tech Opportunities & Challenges」と題し、約40年に渡るVC事業においてテクノロジー、ヘルスケア、FinTechの3つの分野に対し、日本、インド、ヨーロッパ、中国、USなどグローバルに幅広く情報を集め、トレンドや戦略を練っていることを紹介。成長資金として、5億円、10億円という単位での投資規模で、かつFidelityの自己資金を活用したファンドであるため、Laterステージからを中心に会社をより大きくして社会的インパクトと企業価値の増大というそれなりのリターンをもたらすべく役員を派遣し、長い目で取組んでいくケースが多いという。そのため、事業シナジーは求めず、目先のIPOにも興味はないとした。また、日本での投資先ポートフォリオを披露しつつ、金融機関向けのバックエンドのシステムを大手システム会社がおさえている現状に触れ、レギュレーションや商習慣の問題もあるかもしれないが、サービスフィーが高止まりしている点を改善すべく、そのあたりの知恵を借りたいとした。