IBM(NYSE:IBM)は本日(現地時間)、新しいIoT(Internet of Things:モノのインターネット)部門を設立する目的で今後4年間にわたり30億ドルを投資する予定であること、ならびにお客様やビジネス・パートナーによるIoTソリューションの構築を支援するクラウド型のオープン・プラットフォームを構築中であることを発表しました。
IBM Analyticsシニア・バイス・プレジデントであるボブ・ピッチアーノ(Bob Picciano)は、次のように述べています。「接続された各センサーや機器により世界の情報量は増大していますが、より優れた結果を確実に出せることがわかっていても、多くの場合、私たちはそれらの情報に基づいて行動していません。IBMはお客様やビジネス・パートナーがオープン・プラットフォームを基盤として、IoTデータを活用するためのソリューション開発を可能にします。豊富で幅広い機会が存在し、イノベーションが重要になるため、IBMはこの領域へ重点的に投資します。」
IBM IoT Cloud Open Platform for Industries:本プラットフォームはお客様やビジネス・パートナーが垂直型のIoTソリューションを設計・提供するための新しい分析サービスです。例えば、IBMは、保険会社がコネクテッド・ビークルから洞察を引き出せるよう支援するクラウド・ベースのサービスを導入する予定です。これにより、さらに動的な新しい料金設定モデルや、個々のドライバーに合わせて高度にカスタマイズ化できるサービスの提供が可能になります。
IBM Bluemix IoT Zone:Platform as a ServiceであるBluemixの一部として提供する新しいIoTサービスです。これによって、クラウド型のIoTアプリケーションの開発・実装に、IoTデータを簡単に組み込めるようになります。開発者は、よりリアルタイムなデータや組み込みの分析機能を導入し、ミッション・クリティカルなIoTプロセスをさらに自動化し最適化することで、企業資産管理、設備管理、ソフトウェア・エンジニアリング設計ツールなどの既存のビジネス・アプリケーションを強化できるようになります。
IBM IoT Ecosystem:AT&T、ARM、Semtech、新たに発表されたThe Weather Companyなど、半導体や機器メーカーから業界向けソリューション・プロバイダーに至るまで、さまざまなIoTパートナー企業から成るエコシステムを拡大することで、IBMのオープンなプラットフォームにおいて、さまざまなデータ・サービスやデータ・ソリューションを安全かつシームレスに統合します。 IBMは多くの企業でモバイル、クラウド、アナリティクスとIoTを組み合わせた実績をもつIBM Digital Operations Cunsulting Servicesのコンサルタントを通じて、支援します。
カナダの南オンタリオ水道事業体(Southern Ontario Water Consortium)は、IBMの協力を得て、流域動態の理解、飲料水の保護、成長による影響の予測を行う高機能ツールを使用しています。新しいプラットフォームは、15分ごとに収集されるデータを分析し、100を超えるセンサーから、1時間当たり600データ・ポイントを取り込みます。 この他にも、IBMは多くのIoTエコシステム推進者とパートナーシップを組んでいます。以下はその一例です。 AT&TおよびIBMは、さまざまな業界のマシンから収集したデータに関してより多くの洞察を得るため、分析プラットフォーム、クラウド、セキュリティー・テクノロジーを組み合わせました。 ARMおよびIBMは、ARMが組み込み市場においてARM mbedを通じて培った実績とIBMのビッグデータ、アナリティクス、クラウド分野での実績を組み合わせ、IoT向けのスターター・キットを提供するため、提携に至りました。本スターター・キットは、IoT機器の開発者によるクラウド対応製品の迅速な開発を促進します。 IBM ResearchおよびSemtechは、マシン・ツー・マシン(M2M)通信を提供するため、セルラー・ネットワークおよびWiFiにとって大きな強みとなる低電力、広域網を基礎とする新テクノロジーを発表しました。