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2016/11/25

【アセットマネジメントOne】「新興市場日本株 レアル型」 中長期的に成長が期待できる新興市場銘柄に投資すると共に、ブラジルレアルによる為替取引でプレミアム獲得も狙う~運用6年目に突入するネット証券専用ファンドの現状と今後【4】~(ネット証券4社資産倍増プロジェクト)

| by:ウェブ管理者


 資産倍増プロジェクト専用ファンド第1弾の1本として、2011年7月に設定されたアセットマネジメントOne(旧・DIAMアセットマネジメント)の「新興市場日本株 レアル型」。

 国内の新興市場株式に投資し、中長期的な値上がり益の獲得を目指しつつ、円建て資産について、円売り/ブラジルレアル買いの為替取引することで金利収益と為替差益の獲得も狙っていく。専用ファンドの中では、唯一の毎月分配型という点でも特徴がある。

 このファンドの直近1年の運用状況及び、どのような投資哲学に基づいて銘柄を選択しているのかなどについて、岩谷渉平・アセットマネジメントOne運用本部 株式運用グループ 国内株式担当ファンドマネジャーに話を聞いた。

ブラジルレアルの金利収益もあり、直近1年では+40.77%を達成


 最初に、2015年10月~2016年9月末までの相場環境とファンドの運用状況を振り返ってもらった。岩谷ファンドマネジャーによると、この1年は2つの局面に分けられるという。

 「1つめの局面は、2015年10月から2016年6月下旬までです。2015年の夏以降、中国では景気減速傾向が顕著になり、米国は金融緩和の方針をいよいよ転換する方向に進み始めました。グローバル全体で成長率が伸びないという流れの中で、円高が進行。国内市場全体も、一時的には上昇した場面もあるものの、トータルでは下落傾向にありました」

  相場の流れが変わったのは、2016年6月下旬のブレグジット(英国のEU離脱問題)が契機だったと岩谷ファンドマネジャー。「ブレグジットをなんとか乗り切った頃に、中国の景気悪化にも底打ち感が出てきて、米国景気もそこそこで推移する――。6月下旬以降の2つめの局面は、比較的安定した『凪』の時期になったと言ってよいでしょう」。

 そのような1年の中で、「新興市場日本株 レアル型」が投資している銘柄群については、面白い動きが見られたと岩谷ファンドマネジャーは語る。



 「当ファンドでは、現在グローバルの影響を受けにくい、内需系で成長性の高いビジネスを展開する企業を中心に投資しています。そうした銘柄群は、グローバルな政治や経済の環境が不透明であればあるほど評価されるきらいがあるようです。

 具体的には、1つめの局面の中でも円高が進み、先行き不透明感が増した2016年の2月半ば~6月までの3カ月半に、当ファンドが投資している銘柄群が大きく値を上げました」

 逆に、6月下旬以降、外部環境がやや落ち着きを見せ始めてからは、2~6月に値を上げた銘柄が売られる展開となったという。「つまり、ファンドの運用からこの1年を見ると、前半は比較的やりやすく、後半は多少難しくなったと言えます」。


●ファンドの基準価額と純資産額の推移

 さて、このファンドは円建て資産について円売り/ブラジルレアル買いの為替取引を行うことで、ブラジルレアルの金利収益・為替差益の獲得を目指している。ブラジルレアルの動向はどうだっただろうか。

 「米国の利上げ懸念が強まった約2年前には、新興国通貨が弱含むという場面があり、このファンドも影響を受けました。ただ、その状況は一旦切り抜けて、新興国の資源価格の動向や経済状態はいずれもひところに比べて落ち着いているとみています」

 直近1年では、ブラジルレアル/円レートが概ね横ばいで推移した一方、短期金利は14%前後だったため、金利収益を獲得することができたという。

 ブラジルレアルの金利収益の寄与もあり、直近1年のファンドのパフォーマンスは+40.77%(分配金再投資ベース、税引き前)を達成。基準価額は1万8691円(分配金込み・再投資の場合は2万5115円)となった。なお、設定来の分配金累計は3600円(税引き前)、純資産総額は7億3700万円。※いずれも9月末時点


縮小する日本社会の生産性を向上させるような銘柄に注目している


 次に、「新興市場日本株 レアル型」の投資対象について見ていきたい。このファンドでは、主にジャスダックや東証マザーズの上場株式から有望な銘柄を選定し、ポートフォリオを構成する。一銘柄あたりの投資制限は設けていない。

 では、どのような銘柄が「有望」で「中長期的に大きな収益が期待」できるのだろうか。岩谷ファンドマネジャーは、これから日本が直面していく社会的な課題に正面から取り組んでいくような銘柄だと語る。

 「日本は生産人口が減少に転じている一方、GDPは横ばいを維持しています。これは見方を変えれば、一人あたりの生産性は向上しているということで、素晴らしいと言えるでしょう。2020年代、2030年代になれば、今まで以上に日本全体がシュリンクしていくと予想しています。ただ、その中にあっても個々の企業や個人の生産性を上げていく、あるいは人の幸せを増やしていけるような企業は、これまで以上に活躍の余地があると考えています」

 すでに、そうした銘柄はいくつも出てきていて、投資していると岩谷ファンドマネジャー。そこで、2016年の9月末の組入比率上位10銘柄から、具体的な銘柄を挙げて説明してもらった。


●組入上位10銘柄

  「1位のエニグモは、『バイマ』というソーシャル通販サイトを運営しています。バイマのサイトを利用すれば、たとえばNYで売っている高級ブランドのバッグを、出品者から直接購入できます。今までなら、バイヤーが買い付けてきて日本の店頭に並んだものを買うしかなく、その値段には多くの手数料や利益も乗っていたはずです。

 それをC to Cのビジネスにすることで、利用者にとって無駄だった間の取引や手数料などを省略できるようになりました。もちろん、間にあった取引を省くことは、経済全体としては圧縮したように見えますが、その分個人の幸せは増える。こうしたビジネスは伸びていくと考えます」

 また、8位のUSENの場合は、子会社が展開する病院の受付や会計の業務を効率化するシステムによって、生産性の向上が期待できるとのこと。さらに、電力の小売を手がける10位のイーレックスでは、需給に合わせた細やかな電力供給を行なっていて、電力の無駄を省き、電力料金を下げることに貢献するであろうという。

 「これらは、今までの産業構造を変革する(トランスフォーメーション)ような企業と言ってもよいでしょう。そうした企業に早い段階で目を付けて投資をして、大きな成長を狙っていこうとしています。いずれも新興中小型企業で、産業構造の変革自体は大きな流れですから『昨年買って今年売る』というようなことではなく、じっくりと長期で保有しています」

 加えて、人材や教育に関わるビジネスにも注目しているという。「一人ひとりの生産性を向上させるには、ますます『個』の力も重要になってくるからです。人材派遣や人材紹介に関わるビジネスとしては、4位のエン・ジャパンや7位のキャリアリンクが挙げられます」。


今後の相場環境は、短期的には落ち着いていると予想


 さて、今後の相場環境についてはどのように見ているだろうか。岩谷ファンドマネジャーは、短期的には大きなマイナス材料はないと考えている。

 「特に、国内では政権が安定していて、国際政治の中では安倍首相がもっともキャリアが長くなる可能性もあり、グローバルの中での日本のプレゼンスも上がってきています。相場にとってはよい状況だと言ってよいでしょう」

 もちろん、海外の政治状況や地政学的リスクなどがゼロというわけではないというが、「好材料と悪材料を比べたとき、外部環境もそこまでは悪くはない。2017年に向けては、内需も外需もそこまで悪くはないだろうと予想しています」。

 なお、ファンドのパフォーマンスに少なからず影響を与えるブラジルレアルの為替動向も、現状は比較的落ち着いて推移しているという。

 最後に、岩谷ファンドマネジャーに、改めてファンドの魅力をアピールしてもらった。

 「すでに述べた通り、このファンドは社会が抱えている課題に正面から取り組む、志を持った企業に厚く投資をしています。コンセプトがはっきりしていて、かつ一銘柄あたりのウェイトが高いため、方向が外れれば価格のブレが大きくなるという面もありますが、中長期的に大きく成長していく企業をしっかり見極めた、非常にピュア度の高いファンドだと自負しています。明確な投資哲学のあるユニークなファンドですので、投資家の皆さんにもその点を楽しみにしていただけたら幸いです」。

 コスト面に関しては、「新興市場日本株 レアル型」の購入手数料はノーロード(無料)で、実質的な信託報酬は税込1.6912%(税抜1.60%)。換金時には、換金申し込み日の翌営業日の基準価額に0.3%をかけた信託財産留保額がかかる。ファンドの詳細は、こちらのページでも確認できる。


(取材・記事:肥後 紀子 / 撮影:柴田 潔 / 編集・制作:グッドウェイメディアプロモーション事業部)

(オリジナル記事掲載元:ネット証券4社共同プログラム「資産倍増プロジェクト」ネットで投信を買う!





14:42 | 写真:投資家向け




 

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