あずさ監査法人の処分について
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20120706-6.html
金融庁は、有限責任 あずさ監査法人が行ったオリンパス株式会社に対する監査証明業務に関し、公認会計士法に基づく調査を行った結果、公認会計士法第34条の21第2項第3号に該当する事実が認められたので、本日、下記のとおり、同項に基づく処分を行いました。
1.処分の概要
(1)処分の対象者
有限責任 あずさ監査法人
(2)処分の内容
業務改善命令(業務管理体制の改善)
(3)処分理由
有限責任 あずさ監査法人が行ったオリンパス株式会社に対する監査証明業務に関し、以下の事実が認められたため。
イ. 過去に問題のあった被監査会社に対するリスク評価に係る情報を法人本部に集約し、フォローする体制が不十分であったため、当該会社に対する監査証明業務に従事する監査チームに、過去の監査等の状況を踏まえたリスクを的確に認識させることができなかった点において、法人本部としての実効性のある監査の実施に向けた取り組みが十分ではなかった。
ロ. 取引の内容等からその経済合理性等に疑問を抱かせるような特異な取引について、上級審査の対象事項となることを規定していなかった点において、法人本部が監査現場の状況を的確に把握するための体制が十分とはいえず、このため、監査チームと法人本部とが連携した専門部署の機動的な活用等による、より深度ある組織的な監査が行われていなかった。
ハ. 監査人の交代に際して、監査チームは、後任監査人に概括的な説明を行ったのみで、被監査会社とのやり取り等について詳細な説明を行っていなかったため、監査で把握された問題点が的確に後任監査人に引き継がれていなかったが、法人本部も引継ぎについて適切なフォローを行わなかった。
2.業務改善命令の内容
(1)監査実施者が、被監査会社の過去の監査等の状況を踏まえたリスクを的確に認識することができるよう、監査情報の集約・管理の体制を整備すること。
(2)取引の経済合理性等に疑問を抱き得るような特異な取引について、法人本部と監査実施者が連携して対応できる体制を整備すること。
(3)監査人交代の際の引継ぎについて、監査で把握された問題点が十分に引き継がれるよう、監督態勢を強化すること。
(4)上記(1)から(3)に関する業務の改善計画を、平成24年8月6日までに提出し、直ちに実行すること。
(5)上記(4)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成25年1月末日を第一回目とし、以後、6ヶ月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。