講演「持続可能な地域金融について」 では、新田 信行氏(第一勧業信用組合 理事長、JPBV 議長)が登壇。最初に、顧客基盤、職員の気持ち、私たちの価値、について触れた上で、価値観の変化と金融の役割について、様々な産業と組み合わさることで価値を生み出す機能であるとし、GABV(The Global Alliance for Banking on Values)の6原則と活用について紹介。地域金融機関のあり方として、How、Whatの議論より、Whyが大事だとし、外部環境の変化(市場の複雑化、生活者パワーの強大化、変化のスピード、デジタル化)を迎える中、コアバリュー経営、金融機関同士がグローバルとローカルを金融でつなげる新たな分散型金融システム・プラットフォームの重要性のほか、組織文化、地方創生について私見を披露。最後に「バンカー」であることの誇りを持ち自らの仕事に全力で傾注しましょう、と締めくくった。
JPBV(The Japanese Practitioners for Banking on Values)(価値を大切にする金融実践者の会)は、日本において「価値を大切にする金融」を広めていきたいという願いを持つ有志によって設立され、金融機関会員や金融サポーター会員と共に、「価値を大切にする金融」をテーマにしたワークショップを開催している。続可能な社会・経済・環境の発展をもたらすために「お金」という手段を活用し、「よい社会を未来に残したい」という願いを持ち、その潜在能力を発揮できるコミュニティを形成し、社会課題の解決する機会を生み出していくというJPBVの今後の取り組みと展開に注目したい。