2017年5月12日(金)、楽天証券(以下、同社)は東京証券会館において「平成29年3月期 決算説明会」を開催した。当日は楠 雄治氏(同社 代表取締役社長)より、決算および事業概要、今後の事業戦略について説明が行われ、由井 秀和氏(同社 執行役員)、清野 英介氏(同社 執行役員)も同席した。
【決算概要】株式市況の影響で減収減益も、預り資産、総合口座数は順調に拡大。FXや金融収益の伸びにより、株式収益に依存しないバランス型収益構造へ移行
楠氏は決算概要について、株式市況の低迷などに伴い減収減益(営業収益は466億円と前年度比15.1%減)となるも、預り資産は前年同期比16.0%増の4兆990億円、楽天会員が半分を占める総合口座数も同10.3%増で225万口座を突破したことなどを説明。主要ネット証券5社との比較で自社業績を解説した後、収益の分散化状況について、FXや金融収益の伸びにより、株式収益に依存しないバランス型収益構造へ移行している点も強調した。
次に事業の状況については、株式売買代金の低迷(前年度比4.9%減)もあり、委託手数料は同17.7%減となったものの、証券会社別売買高シェアは15.2%と2番目を維持したこと、投信の残高も同8.7%増、積立設定件数は同20.9%増となったほか、FXの売買代金は減少したものの2016年10~12月期において世界第3位の売買高を記録したことを紹介。IFAビジネスも顧客数、預り資産共に順調に拡大しており、資産は2017年3月末で2,400億円を突破したという。
楠氏は最後に、マレーシアの大手証券会社との合弁会社「Rakuten Trade Sdn Bhd」がマレーシア初のネット専業の証券会社として2017年5月19日より営業開始予定であり、またフィンテックへの取り組みとしてブロックチェーン技術を活用したID・パスワード不要な本人認証の開発についても触れた。
資産形成の重要性が指摘される昨今、日々進化し続ける楽天経済圏との強力なグループシナジーを推進力とし、最新・革新的なサービスの提供を進めていくとしている同社の今後の事業展開が注目される。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )