1. 本件開発の背景 経済社会のデジタル化が急速に進展し、金融サービスをはじめとする多くのサービスが対面ではなく、デジタル技術を通じてリモートで提供されつつあります。一方で、なりすまし等による不正利用を防ぐため、事業者には利用者が本人であるかどうかを厳格に確認することが求められています。 金融業界では、2018年の犯罪収益移転防止法(以下、犯収法)の改正により、オンラインで完結する本人確認(eKYC, electric Know Your Customer)方法として、「本人確認書類+銀行等への顧客情報照会」[8]が認められました金融機関の有する本人確認済情報は、デジタル化が進展する経済社会において、認証基盤の一助になると期待されており、NEC が主催する産業横断イノベーション研究会「API Economy Initiative」において、業種や業界の垣根を超えたオープン API の利活用による安全・便利な社会の実現事例として、NEC と複数の金融機関が共創して検討を進めてきました。