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2018/06/05

【日本銀行】(日銀レビュー)金融分野におけるオープンAPIの活用~セキュリティへの影響と対策~

| by:ウェブ管理者
近年、情報技術を活用した新しい金融サービスとして FinTech が注目を集めている。FinTech を推進する柱の1つといわれている API(Application Programming Interface)を公開する動きが、官民を挙げて加速している。本稿では、国内外における API の公開の動きを紹介するとともに、公開された API(オープン API)の安全な利用に向けた取組みと今後の課題を説明する。

■オープン API とは
近年、情報技術を活用した新しい金融サービスとして FinTech が注目を集めている。その起爆剤の1つが API(Application Programming Interface)の公開である。API とは、「特定のプログラム」に対して、「別のプログラム」から動作させる仕様のことである。例えば、ある店舗が自店の所在地をウェブサイトで公開する際、グーグル・マップの地図で表示させるケースを想定する。この場合、グーグル社が提供している API(Google Maps API)を用いて、グーグル・マップ情報(特定のプログラムに該当)をある店舗のウェブサイト(別のプログラムに該当)から動作させることができる。

FinTech の分野では、「API とは、銀行以外の者が銀行のシステムに接続し、その機能を利用できるようにするプログラムを指し、このうち、銀行が電子決済等代行業者(FinTech 業者)に API を提供し、利用者の同意に基づいて、銀行システムへのアクセスを許諾する形態をオープンAPIという」と定義される。

オープン API は、金融機関が保有している情報に対して、読み取る権限のみが付与された「参照系 API」と、書き換える権限まで付与された「更新系 API」の 2 種類に大別される2。参照系 APIを用いて提供される主なサービスは、利用者が(複数の)金融機関における自分の口座残高等のデータを集計し、確認できる口座情報サービス(Account Information Service)であり、更新系 APIを用いて提供される主なサービスは、決済指図を金融機関に伝達し、その結果を確認できる決済指図伝達サービス(Payment Initiation Service)である。

金融分野におけるオープンAPIの活用に向けた動きは、国内外において進められている。国内においては、銀行法等の一部改正により API に関連する規定が整備されたほか、「政府・未来投資戦略 2017」では、2020 年 6 月までに 80 以上の銀行がオープンAPIを導入することが目標に据えられている3。国内の金融機関では、オープン API をすでに導入または導入予定としているところが多い4。海外においても、例えば、欧州連合(European Union:EU)では、第 2 次決済サービス指令(Payment Services Directive 2:PSD2)において、実質的に金融機関に対してオープン API の導入を義務付けている。


原文はこちら
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2018/rev18j03.htm/

15:05 | 金融:行政・取引所・団体
 

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