株式会社ライブスター証券に対する処分について
http://www.tse.or.jp/news/13/120829_a.html
当取引所は、株式会社ライブスター証券に対して、取引参加者規程第34条第1項第8号の規定に基づき処分(過怠金300万円の賦課)を行いましたので、お知らせいたします。
また、取引参加者規程第19条の規定に基づき、業務改善報告書(1. システムリスク管理態勢の総点検及びその結果に基づく抜本的改善を行うこと、2. 役職員におけるシステムリスク管理に対する基本的な理解及び意識の向上と促進を図ること、3. 再発防止を図る適切な社内管理体制を構築することを含む。)の提出を請求しました。.
経緯
同社はインターネット取引専業の金融商品取引業者であり、顧客からの注文の大半を、インターネット経由でシステムを利用して受託し、取引所に取り次いでいる。
平成23年12月27日午前10時頃、同社システムの構築・運用等に係る外部委託先であるA社が、同社株式取引システムの本番環境における顧客注文及び残高等に係るデータを誤って消去した。これにより大規模なシステム障害が発生し、顧客からのログイン及び発注等を含む全ての処理が不能となった。また先物・オプションも取引不能となった。
障害発生後、同社はA社から、障害発生時点までのデータを当日の取引時間中に回復させることは不可能であり、最短の復旧方法は、当日の約定状況等を含まない前日深夜時点のバックアップデータを復元する方法である旨報告を受けた。同社取締役を対策本部長とする緊急対策本部は、当該方法による復旧の実行を承認した。
同社は、障害発生時以前に市場に発注されていた全ての注文を順次取消すとともに、現物売却注文及び信用返済注文並びに先物・オプション取引の返済注文についてのみ、電話による受付を開始した。受付に際しては、本来であれば顧客の保有残高情報を把握したうえで行うべきところ、システム障害ゆえに当該情報を把握できなかったため、同社は、専ら顧客からの保有残高の自己申告に基づいて発注を行った。
その後、前述の方法によりシステムが復旧され、顧客のウェブサイト上での操作による発注が可能となったが、このとき顧客が確認できる保有残高情報は前日深夜時点のものであり、当日の約定による保有残高の増減は反映されていなかった。しかしながら同社は、当該事実を顧客に対して周知していなかった。
これらの原因により、重複した注文が行われ、その結果同社は、受渡日以降、顧客資産の流用及び証券決済未了(フェイル)を併発させた。
処分実施状況
http://www.tse.or.jp/sr/activity/cmpshobun.html
処分~違反者への対応~
http://www.tse.or.jp/sr/compliance/shobun.html
その他詳細はこちら
http://www.tse.or.jp/news/13/120829_a.html
関連情報
【大証】取引参加者の処分:ライブスター証券
http://www.ose.or.jp/news/22220