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2011/02/21

【野村證券】『日本経済:「踊り場」脱却前夜』~2012 年度の経済見通し

| by:ウェブ管理者

(2011/2/21)
『日本経済:「踊り場」脱却前夜』2010 年度~2012 年度の経済見通し
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20110218/20110218.pdf


日本経済は「踊り場」脱却前夜


 2010 年10-12 月期実質GDP1 次速報値は、前期比年率-1.1%と5 四半期ぶりに減少した。しかし、マイナス成長は一時的であり、2011 年1-3 月期には前期比年率+1.3%とプラス成長軌道に復すると見込まれる。日本経済は、踊り場脱却前夜の状況にあると考えられる。予想を上回る輸出環境改善を背景に、踊り場脱却の想定時期を、前回(2010 年12 月9 日時点)の2011 年「下期」から2011 年「上期」へと修正した。


 2010 年度(暦年)の実質GDP 成長率予測値を、前回の+3.3%(+4.4%)から今回+2.9%(+3.9%)へと下方修正したが、これは主に過去の系列が遡って修正されたことの反映である。他方、2011 年度(暦年)の実質GDP 成長率予測値を前回の+1.2%(+1.1%)から+1.5%(+1.4%)へ、2012 年度(同)については+2.1%(+1.9%)から+2.3%(+2.2%)へとそれぞれ上方修正した。2011 年度(同)に関しては輸出と設備投資見通しの上方修正、2012 年度(同)に関しては、個人消費見通しの上方修正によるところが大きい。


 今後の輸出回復は内需に波及し、2011 年下期には設備投資、2012 年には個人消費の堅調ぶりが次第に確認されよう。その背景には、「バブル経済の負の遺産」とも言える企業の過剰債務問題の解消があるとみられる。その結果、輸出回復を受けて増加した企業収益が、賃金増加や国内設備投資増加などの形で活用され、輸出持ち直しが従来以上に迅速に内需改善に結び付きやすくなったと考えられる。


 原油・為替前提の変更なども影響し、2011 年度消費者物価(生鮮食品を除く総合)見通しを-0.2%から+0.4%へと大幅に上方修正した。しかし、8 月に発表される新基準年ベースでは-0.1%と予想され、結果的に大きな修正にはならない。この点も考慮し、日銀の実質ゼロ金利解除の想定時期については、2013 年度中という従来の見方を維持する。


 国内には、当面の景気にとっての顕著な下振れ要因は見出されない。政治情勢の混乱から予算執行が著しく滞る事態となれば景気下振れリスクとなるが、その可能性は限定的であろう。主要な景気下振れリスクは、想定以上の円高進行、原油高騰、米・中を中心とする海外景気の減速など外部環境の変化にある。但しいずれも逆方向に振れれば、景気の大きな上振れ要因にも転じ得よう。


18:28 | お知らせ
 

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