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2017/06/27

【アドライト】新規事業開発に関わる大企業担当者を対象にオープンイノベーションの成功のポイントと最新事例について解説、「日本流オープンイノベーションによる大企業と大学発ベンチャーの未来 Mirai Salon #4」開催!

| by:サイト管理者


 2017年6月8日(木)、アドライトは東京・新丸の内ビルディングのEGG JAPANで「日本流オープンイノベーションによる大企業と大学発ベンチャーの未来 Mirai Salon #4」を開催した。

 アドライトは国内大企業に対するイノベーション創造のためのコンサルティングおよび国内外ベンチャー企業に対するインキュベーションを行っている。今回のイベントでは、オープンイノベーションをテーマにしたイベントシリーズ「Mirai Salon」の第4回目として、大企業・ベンチャー企業・大学を取り巻くオープンイノベーションの最新事例について取り上げた。



 登壇者は米国Googleに買収された東大発ロボットベンチャーSCHAFT(さらに翌日、ソフトバンクが買収するとの発表があった)などはじめ数多くの技術ベンチャー企業を支援する鎌田 富久氏(TomyK Ltd. 代表取締役 & Founder)、京都大学100%出資により設立されたベンチャーキャピタルで投資を手掛ける八木 信宏氏(京都大学イノベーションキャピタル 投資部 プリンシパル)、宇宙資源開発という新領域でのイノベーションにチャレンジする袴田 武史氏(ispace 代表取締役 & ファウンダー、HAKUTO代表)、資生堂やダイドードリンコなどから出資を受けるヘルスケアベンチャーを手掛ける竹 康宏氏(ドリコス 代表取締役)。



 当日はまず、会場であるEGG JAPANを運営する旦部 聡志氏(三菱地所 街ブランド推進部 テナントビジネス開発支援室 統括)がEGG JAPANの概要について紹介。




 続いて、木村 忠昭氏(アドライト 代表取締役 CEO)が「オープンイノベーションにおける産学連携の意義」と題して、今回のイベントの趣旨を説明。今回のイベントは、大企業の事業開発担当者を対象に、大学発ベンチャーの技術成果を取り込むための参考となるものであること、また、経産省のオープンイノベーションについて調査によると、「10年前に比較してオープンイノベーションが活発化しているか」との質問に対して回答者の半分が「ほとんど変わらない」と答えていることを紹介。「こうした現状を変えて、オープンイノベーションを通じてさまざまな事業が生まれるようご支援していきたい」と述べた。



 1社目は、竹 康宏氏(ドリコス 代表取締役)が登壇。「大手企業と創造するオープンイノベーション」と題してベンチャー企業が大手企業と連携する目的・狙いについて講演した。

 ドリコスは2012年の創業。「飲む」と「エレクトロニクス」の2つの領域の融合により「日常に溶け込み無意識で暮らしをよくするソリューションの提供」をミッションとしている。竹氏は大学院で電子工学を学んでいるときに学生起業。独自開発のオーダーメードサプリメントサーバーの製品化を行っているが、1号機が完成した2016年1月の段階で三菱UFJキャピタルの資本参加を得た。その資金を基に試作機を複数台製作し、検証した。次の段階として、「各分野への販売方法、量産化などが課題となり、中核事業の成長エンジンとしての提携のニーズと、派生価値の検証のエンジンとしての提携のニーズの2つが存在した」と竹氏は解説した。前者としては飲料メーカーのダイドードリンコと連携。後者としては、デバイスの開発を狙っていた資生堂から資本参加を得て、資生堂初の家電のプロトタイプ 開発と発表を実現したと述べた。

 2社目は、袴田 武史氏(ispace 代表取締役 & ファウンダー、HAKUTO代表)が登壇。大企業と大学との連携の2つのテーマについて講演した。
 
 ispaceは宇宙開発関連企業で、世界中から宇宙開発関連のエンジニアを採用、27名の40%が海外からの社員。「人間が宇宙で生活圏を築く時代を作る」ことをミッションにしている。「宇宙での資源開発」が具体的な事業テーマで、「特に水がテーマで、宇宙でのガスステーションの設定を目標にしている」(袴田氏)。同社はKDDIをはじめ、多くの日本の大企業とHAKUTOで連携、支援を得ている。技術的には東北大学の吉田和哉研究室と連携しているが、ボランティアを多くの分野から集めているのも特長という。



 3社目は、八木 信宏氏(京都大学イノベーションキャピタル 投資部 プリンシパル)が登壇。大学側から見たオープンイノベーション事例を発表した。
 
 京都大学イノベーションキャピタルは国立大学法人京都大学の100%子会社・ベンチャーキャピタル。京大から150億円、三井住友銀行から10億円の出資を得たファンドが2016年1月に設立され、京大の技術を活用したベンチャー企業に出資をしていくことを目的としている。八木氏自身は製薬企業の基礎研究ならびに事業開発などを手掛けてきた。その経験からして、「事業会社がその成長戦略に合致した研究を大学に見いだしても、大学とのつきあい方に苦労する場合が多い」とした。具体的には、「研究費を出したが予定通りのデータが取れない、学会発表により特許が取得できなくなる、いったん始めた共同研究を止めるのが難しい、などの問題意識を企業側が持っている」と述べた。このため、「企業と大学がリスクシェアを行うモデル・JVが一つの解決策となり、京都大学ではその体制を整えている」とした。また、八木氏は「最大の課題は人材の確保。アントレプレナーが必要であること」と語った。そのために京都大学イノベーションキャピタルはビジネスマン個人と研究者とのマッチングを行う「アントレプレナー・キャンディデート・クラブ」を作ったと紹介した。

 4社目は、鎌田 富久氏(TomyK Ltd. 代表取締役 & Founder)が登壇。大学発ベンチャーの支援を行っている立場から講演した。

 鎌田氏はソフトウエアのACCESE社の共同創業者。ガラケー時代の携帯電話のソフト開発を手掛け、2001年に上場し、10年間経営してきた。最近、5年間はTomyK を通じて東京大学と連携し、5年で20社をサポート。スタートアップの支援を行っている。鎌田氏は「ロボット、宇宙、メディカルなど先回りをして世界で勝てるベンチャーを若者たちと経営したい」と今後の方向を語った。また、鎌田氏は今、大きな変化の兆しが出ているとする。「これまでのインターネット、デジタル、AIでは米国勢の蓄積が豊富で日本はなかなか勝てないが、リアルな世界、例えばIoTなど、人間とネットの世界を直接つなぐ分野、また細胞レベルなどミクロな分野を対象に人材を集めれば、ベンチャーにチャンスがある」とした。鎌田氏は具体的な事例として、電子回路を紙にインクジェットプリンターで印刷する技術を持つAgICを紹介した。この事例は大企業とベンチャーの連携だが、そこでの問題は「スピード感。大企業がちょっと検討しますと言って半年たつと、ベンチャーは死んでしまう。ライバルも多いので、スピート感が重要だ」とした。この技術を応用した「フレキシブル基盤」は自動車などに使われ出しており、三菱製紙やセメダインの協力も得て、安く、早く出すという要望に対応している。これらの事例を通じて鎌田氏はベンチャーの課題として、「何といってもテクノロジーを基に起業する人を増やさないとダメ。そのためにはアントレプレナー教育が重要だ。また、既存の大企業の組織は本業で失敗できないミッションを持つので、新規事業は、全く違う組織で行う必要がある。」と述べた。



 第1部を終え、休憩時間中には、軽食と珈琲を片手にネットワーキングが行われた。




 第2部は、木村氏をモデレーターに竹氏、八木氏、鎌田氏によるパネルディスカッションが繰り広げられた。出資を受ける際に大変だったこと、先生と起業家との信頼関係や起業家が技術に精通していることの重要性、事業のスピード感、イノベーションのジレンマを解決するにあたりベンチャー企業との連携が重要なポイントとなることなど、それぞれの私見が披露された。



 今回の大企業と大学発ベンチャーのコラボがいかにあるべきかをテーマとしたイベントでは、日本を代表するベンチャー企業家による示唆に富むものであり、ここから汲み取れるものは多い。今後の日本再生における大学発ベンチャーの果たす役割に大いに期待したい。

(記事:丸山 隆平 / 取材、撮影、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )




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