今回のフォーラムでは、メキシコやブラジル、チリ、ペルーなど、これまで半世紀以上にわたり密接な関係を維持してきた日本とラテンアメリカにおいて、今後、更なる取引、投資、ビジネスの拡大に向けて、行政、機関投資家、金融の専門家やビジネスリーダーが2日間にわたりパネルディスカッションや講演、個別面談を行うことで、経済的関係の発展とビジネス機会を創り出すことを目的に開催したという。
国際経済研究所 副理事長 井戸 清人 氏による基調講演に続き、最初のオープニングパネルディスカッション「日本とラテンアメリカ-継続的なパートナーシップとビジネス機会の展望」では、ラテンアメリカ諸国と日本間の投資の構造関係に焦点を当て、これまでの変遷と現状、今後の展望について議論された。司会は、LatinFinance CEO Taimur Ahmad 氏が務めた。
登壇者は、German Rios 氏(Director of Strategic Affairs, CAF:ラテンアメリカ開発銀行)、Junsuke Koike 氏(Regional Head for Latin America & President, BTMU Brazil)、Carlos Vargas 氏(Managing Director, Head of Emerging Markets Origination, Mizuho)、Nagayoshi Motokawa 氏(Chief Representative – New York, JBIC)、Gabriel Stein 氏(Director, Asset Management Services at Oxford Economics)、Akio Hosono 氏(Vice Chairman, JALAC)の6名。
その後、ネットワーキング/コーヒーブレイクでは、協賛企業のブースエリアに用意されたお菓子やコーヒーと共に、登壇者、参加者、協賛企業の担当者同士で歓談が続いた。
続いてのパネルディスカッション「ラテンアメリカ諸国の債券と投資について」では、ラテンアメリカをターゲットとした投資の利点、リスクなどを分析し、日本のインベスターにとって効果的な投資機会について解説された。司会は、LatinFinance Reporter Eduardo Garcia 氏が務めた。
その後、Hugo Sarmiento 氏(CFO, CAF)によるインタラクティブプレゼンテーション「ラテンアメリカの主要セクターへの扉を開くために-ラテンアメリカ開発銀行(CAF)との協議」が行われた後、2階にある会場に場所を移し、ネットワーキングランチへ。
また、午後のパネルディスカッションは、「未来への展望‐ラテンアメリカのインフラ事業とエネルギー事業」、「ラテンアメリカ諸国の農業関連事業への投資」、「ラテンアメリカ諸国における製造業」、「流動性資産の凍結:シンジケートローンについて」のほか、最後にカクテルパーティーが行われた。
さらに翌日の2日目には、黒沢 利武 氏(Deputy Director-General, METI)による基調講演、および、「ラテンアメリカ諸国をターゲットとする日本の製造業の海外事業展開」、「ホンジュラスのインフラ・エネルギー分野への投資機会」、「構造改革以後のメキシコへの投資機会」、「コロンビアのインフラ事業への投資機会」などのプレゼンテーションが行われ、閉会した。
地理的な距離は大きいものの、グローバル化が加速する現在社会において、人口減少にある日本の資金供給や技術力をラテンアメリカ諸国における事業開発と資金需要に結び付け、両国の経済的関係の強化と更なる発展に向けた動きが広がっている。今後のLatinFinanceと国内外の金融機関および事業会社の取組みに注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )