2023年5月19日(金)、楽天証券は同社と契約を結んでいる全国のファイナンシャルアドバイザーを招いて虎ノ門ヒルズフォーラムで開催した「第28回 楽天証券IFAカンファレンス」に合わせて、「報道機関向けIFAレクチャー」を開催した。
IFA(Independent Financial Advisor)とは、金融商品仲介業者に所属する独立系ファイナンシャルアドバイザーを指し、個人投資家に資産の運用についてのアドバイスを専門に提供するなど、あらゆる金融商品の中から最も適切な商品や運用方法などを中立的な立場で投資家に提案してくれる専門家を指す。同社では半年毎に契約アドバイザーを招いてカンファレンスを開催しており、今回の開催で28回目を迎えている。
カンファレンス会場で契約IFA事業者の表彰式や講演会が行われている間、同社のIFA事業を統括する大嶋 広康氏(楽天証券 取締役 副社長執行役員)による報道関係者向けIFAレクチャーが行われた。
冒頭に大嶋氏は、2008年10月に立ち上げたIFA事業を自身の経歴を交えながら振り返り、調べれば調べるほど大きく伸びる事業と確信した経緯や、日本のリテールが先進国と比較して大きく遅れている現状を踏まえ、IFAを使った産業革命を起こすという想いや取組んできた内容を報道陣に共有。利益相反回避のため発行体寄りのビジネスをやらず、オンラインのみによる事業展開を図っているという同社の特徴も紹介された。
続いてIFA事業の概況について、1兆円を超えた預かり資産、厳しい審査が伴う契約IFA業者数のほか、30~40代が中心というアドバイザー属性、フィー型転換推進によるROE(Return On Equity)低下、フィーベース預かり資産の拡大等について、背景等も交えながら説明が行われた。さらに顧客本位の業務運営の理念に基づく共通KPIデータの開示について、顧客損益状況の共有も行われたほか、ツール・イベント等のインフラサービス、Education(教育)、KAIZEN、シン・NISAを通じた世帯金融資産1億円の実現や資産の世代間移転の促進などへの意欲を示した。最後に、出席した報道陣からのコスト・リターン/リスク・リターン分布、顧客損益分布におけるラップの位置付けに関する質疑応答を経てレクチャーは終了した。
レクチャーや表彰式・講演会が終了後、隣接するのホールで懇親会も行われ、主催者も交えて参加したIFA事業者同士の歓談が閉会まで続いた。
従来型のリテールビジネスが転換期を迎え、資産運用アドバイスに対する注目度が増すなか、組織やノルマに縛られずに顧客のライフステージに合わせた資産運用計画の実行を支援しようとするIFA。単にIFA事業領域の拡大のみを目指すのではなく、良質な金融事業者がベスト・プラクティスを目指すうえで不可欠な「顧客本位の業務運営に関する原則」を常に念頭に置き、健全なアドバイザリービジネスの確立を目そうとする同社の今後に事業展開に注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 :GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )