都民及び都内事業者のニーズや課題の解決に資する画期的な金融商品・サービスの開発・提供を行う金融事業者等やESG投資の普及を実践する事業者を表彰する「東京金融賞」の表彰式では、「金融イノベーション部門」、「ESG投資部門」それぞれ3社ずつの受賞企業によるプレゼンや表彰が行われた。
児玉 英一郎氏(東京都 政策企画局 国際金融都市戦略担当局長)は、サステナブル・リカバリーを実現し、世界をリードする国際金融都市実現を掲げた「『国際金融都市・東京』構想2.0」や東京金融賞の概要、審査体制のほか、両部門の受賞企業を紹介して開会挨拶とした。
受賞企業プレゼンテーション① | 「金融イノベーション部門」 |
続いて、晴れて東京金融賞を受賞した企業が順にサービスやソリューションのプレゼンテーションを行なった後、審査委員長の山岡 浩巳氏(フューチャー 取締役グループCSO)による講評が行われた。
マレーシアにおいて、過去の信用スコアが無く、融資を受けられない零細企業に対して、起業家精神や金融リテラシー、コンプライアンス意識等をスコア化する「サイコメトリック(心理統計学)テスト」を通じて迅速な融資を可能に。
金融機関や保険会社、医療機関、政府機関などが保有する複数の個人情報から、AI技術を用いて匿名化した合成データを生成するプラットフォームを提供。
認知症等の高齢者向けのプリペイドカードを発行。家族による見守り(遠隔から利用履歴の把握、残高チャージ)、紛失時の停止などの機能を付与。介護者の負担軽減、高齢者の金融包摂、キャッシュレス化に貢献。
【3位】sustainacraft(日本)
衛星解析技術などを活用して、カーボンクレジット購入者向けに、森林保全プロジェクトの妥当性(CO2吸収量など)を評価。
スマートフォンに取り付け可能な眼科医療機器(Smart Eye Camera)を開発。診断AIによる眼科疾患の診断や、眼科専門医による遠隔画像診断が可能に。
アフリカにおいて、信用不足で車両購入ローンが組めない事業者に対して、モバイル決済の利用履歴や売上データを基にした独自のスコアリングモデルを用いて、車両購入のための融資サービスを提供。
小池 百合子氏(東京都知事)は、祝辞や関係者への労いの言葉を述べた後、金融を取り巻く環境がこれまでにない様相を呈するなか、金融のデジタライゼーションやESG、投資の活性化が急がれるとして、受賞した企業のサービス概要を改めて紹介。2023年2月27日(月)~28日(火)東京国際フォーラムで初開催する、スタートアップとのオープンイノベーションで持続可能な社会を実現するためのイベント「City-Tech.Tokyo」を最後に紹介して挨拶とした。
最後に表彰式と写真撮影が行われ、都知事と共に受賞企業が記念撮影に納まった。
東京金融賞では、応募者のうち国内外事業者15者程度には支援プログラムを提供し、事業化に向けたブラッシュアップのサポートをするほか、受賞の特典として、上位から順に1,000万円、500万円、300万円が賞金として授与されるという。東京金融賞の取組みが金融イノベーションとESGの推進に繋がり、『国際金融都市・東京』の実現が加速することに期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )