Insurance API Organizationは 共催の3社が保険業界のデジタル化を推進させるため、2020年1月に立ち上げた組織で、今回はその立ち上げを記念しての開催したもので、会場には150名もの業界関係者が来場した。
開会挨拶には中西 主氏(マーシュジャパン 代表取締役社長)が登壇。中西氏は「本組織の設立の目的は、保険業界におけるAPIの促進を目的として、その利便性や技術的な課題、運営について理解を深め、参加する全てのステークホルダーがメリットを共有でき、結果として新たな保険エコシステムを形成しようというもの」だとし、これらを実現するためには「個社が単独で取り組み、その結果としての得を得るのではなく、大きな流れを創造していくためには、時には利害関係があっても、より多くの仲間たちと取り組むことが最終的にはユーザーにとってのメリットが出せるのではないかと考え、発足に至った。」と挨拶で語った。
パネルディスカッション「損保業界でのAPI接続とその展望について」には、パネリストとして小澤 淳氏(SOMPOシステムズ 取締役副社長執行役員CTO)、ノエル ケレイタ氏(Chubb損害保険 リージョナルCIO 兼 執行役員)、渡部 光明氏(東京海上ホールディングス 事業戦略部部長 兼 デジタル戦略室長)、加藤 大輔氏(三井住友海上火災保険 デジタル戦略部 デジタルビジネスチーム長)が登壇。モデレーターを樫井 庸佐氏(マーシュジャパン Commercial Market Team leader)が務めた。
樫井氏は、「本日は、日本のメガ損保三社、外資系大手損保のデジタル戦略の第一人者がパネリストとして集まり、保険会社、仲介業者、システムベンター、スタートアップ、隣接業界などから多くの参加をいただいているので、パネリストにいろいろと聞いてみたい」と述べて、様々な質問を投げ掛けながらの討論を開始した。
対談「保険APIがもたらす一般消費者へのインパクト」には、マーク マクダッド氏(マネーツリー 事業部長 兼 常務取締役・共同創業者)と尾花 政篤氏(hokan 代表取締役CEO)の二人がステージ上でトークを展開。マクダッド氏は、「我々は、色んな銀行口座、証券口座、クレジットカード、電子マネー、ポイントの情報を集約して、一括管理できる個人資産管理サービス「Moneytree」というアプリを提供。5年前にそのサービスをプラットフォーム化し、「MT LINK」というサービスを提供開始し、利用者が同意すれば、「MT LINK」に保管された顧客情報をいろんなサービスに持っていくことができる仕組みを提供している。」とした上で、「保険業界に対してはどういうことができるのか」、「一般消費者にとってAPIとは?」という質問に次々と答えていった。
当日は、冒頭の開催挨拶で、「世の中では様々な業界業種で従来の、あるいは前例にとらわれない垣根を越えた連携が行われているが、残念ながら保険業界は遅れていると言わざるを得ない。」と中西氏が語った状況下、「Insurance API Organization」の設立と活動が、保険エコシステム形成に貢献することを期待したい。
(写真、記事提供:アイリックコーポレーション 編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ)