【金融庁】ユナイテッド投信投資顧問に対する一部業務停止命令
http://www.fsa.go.jp/news/24/syouken/20121016-3.html
1.ユナイテッド投信投資顧問株式会社(以下「当社」という。)に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下のとおり法令違反等の事実が認められたとして、平成24年10月10日、行政処分を求める勧告が行われました。
○投資一任契約に係る善管注意義務違反
(1)A厚生年金基金(以下「A基金」という。)との年金投資一任契約
当社が、A基金との間で締結した年金投資一任契約(以下「年金一任契約」という。)に関し、以下の問題が認められた。
イ 年金一任契約締結に至るまでの経緯
平成20年9月、当社は、株式会社アール・ビーインベストメント・アンド・コンサルティング(以下「RB社」という。)から、RB社を運営者とし未公開株を投資対象とする乙号投資事業有限責任組合(以下「乙号組合」という。)に出資することを前提に、A基金との間で年金一任契約を締結して欲しいとの依頼を受け、同年11月、年金一任契約を締結し、その後、A基金から運用を委託された資産全額を、乙号組合に出資した。
なお、当社は、RB社から、年金一任契約締結の依頼の背景として、A基金が、新たに組成される乙号組合に対する強い投資意向を有している旨の説明を受けている。
ロ 乙号組合に対する出資前の調査等が不適切な状況
乙号組合に対する出資前に当社が行った調査・検討の状況について検証したところ、次の(イ)及び(ロ)のとおり極めて不適切な状況が認められた。
(イ)A基金から運用を委託された資産全額について、未公開株を投資対象とする投資事業有限責任組合に出資することが、A基金の運用状況等に照らし、運用方法として適合しているかどうかに関し全く調査・確認を行っていない。
(ロ)未公開株を投資対象とする投資事業有限責任組合に対し出資を行うとしても、当該組合の運営者をRB社とすることが適切か、に関して十分な調査を実施していないほか、乙号組合が投資する予定の未公開企業の実態等の把握が著しく不十分である。
ハ 乙号組合に対する出資後のモニタリング等が不適切な状況
乙号組合に対する出資後に、当社が乙号組合に対し行ったモニタリングやA基金に対する運用報告の状況を検証したところ、次の(イ)及び(ロ)のとおり極めて不適切な状況が認められた。
(イ)A基金に対する運用報告が不適切な状況
当社は、年金一任契約に係る運用の状況に関する報告書(以下「四半期運用報告書」という。)を作成し、A基金に提出しているところ、上場予定が白紙となっている乙号組合の投資先未公開企業に関し、RB社から、上場予定が確定している旨の報告を受け、当該報告が事実に反することを容易に把握できたにもかかわらず、十分な確認を行わず、四半期運用報告書に、上場時期が確定している旨のRB社からの上記報告に沿う内容の記載をしている。
(ロ)乙号組合に対するモニタリングが不適切な状況
乙号組合において、上場予定が白紙となった投資先未公開企業について、合理的な理由なく追加投資が行われているが、当社は、適切な措置を講じなかった。
また、当社は、年金一任契約に係る投資について乙号組合への出資が妥当であるかについて定期的に見直しを行う等のモニタリングを実施していない。
当社は、年金一任契約の締結により、A基金のために善良なる管理者の注意をもって、年金一任契約の内容に従って、年金資産の運用として適切な投資方法及び投資先を、十分な調査・検討の上で決定し、乙号組合への出資後も、乙号組合に対するモニタリングを実施すべき義務を負っていたものであるが、上記ロ及びハのとおり、当社が実施した、乙号組合への出資決定にあたっての調査等及び出資後の乙号組合に対するモニタリング等は極めて不適切であり、当社は、善良なる管理者の注意義務に違反したと認められる。
(2)その他の投資一任契約
当社は、年金一任契約以外の一任契約に基づく運用において、当社のグループ会社等で組成・販売等した公募外国投資信託に関し、当該外国投資信託の管理会社との間で投資一任契約を締結し、当該外国投資信託に係る投資判断を行っているが、当該投資判断等について、別紙のとおり、善良なる管理者の注意義務に違反した事例が認められる。<別紙参照>
上記(1)ロ及びハ並びに(2)の当社の状況は、金融商品取引法(以下「法」という。)第42条第2項に定める、善良なる管理者の注意義務に違反したと認められる。
2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については法第51条に基づき、以下の行政処分を行いました。
(1)業務停止命令
新たな投資一任契約の締結停止(平成24年10月16日から平成24年12月15日までの間)
(2)業務改善命令
イ 投資運用業者として、公正かつ適切な業務運営を実現するため、法令等遵守に係る経営姿勢の明確化、経営陣による責任ある法令等遵守体制及び内部管理体制の構築、並びに、これらを着実に実現するための業務運営方法の見直しを図ること。
ロ
特に、投資一任契約の締結・運用に際しては、投資対象先に対する十分な調査・確認が適切に行われているかについてチェックする体制やグループ会社等との取引に係る利益相反を防止する態勢等を構築することを含め、具体的な再発防止策を策定すること。
ハ 今般の検査結果を踏まえ、経営陣を含めた責任の所在の明確化を図ること。
ニ 本件についての適切な顧客説明、顧客への適切な対応など投資者保護のために万全の措置を講じること。
ホ 上記イから二について、平成24年11月15日までに書面で報告すること。
【関東財務局】スタッツインベストメントマネジメントに対する業務改善命令
http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/kinshotorihou/9688syobun241016.pdf