2016年4月、グッドウェイは、証券業界に多数の導入実績を持ち、特に、対応商品や対応チャネルも多岐に渡る同社の主力ソリューションであるオンライントレードフロントシステム「Trade Agent」を展開するトレードワークスを訪ね、同社の製品/サービスについて サービスエンジニアリング部 スペシャリストグループ 取締役 統括本部長 徳島 直哉氏にインタビュー取材を行った。
◎豊富な実績 【インターネット取引黎明期から多数のシステム導入実績】
証券、FX、商品業界向けフロントシステムや、取引所接続、不公正取引監視システム等のソリューションを提供するトレードワークス。商品やチャネルも多岐に渡り対応!
1999年1月に創業したトレードワークスは、現在、オンライントレード、ディーリング、トレーディング等、証券、FX、商品業界向けのソリューションを提供。多数の金融機関に導入している。
・「Trade Agent」(証券、FX、商品先物オンライントレードフロントシステム)
・「Athena(アテナ)」(ディーリングシステム)
・「Mars(マーズ)」(JPX対応取引所売買システム)
・「Mars Web(マーズ ウェブ)」(インターネット取引所売買端末)
・「MTS」(不公正取引監視システム)
各取引所のISV(Independent Software Vendor)としても認定されている。
・日本取引所グループ(ISV一覧)
・東京商品取引所(ISV一覧)
◎SaaS型モデル 【データセンターやインフラを含めたSaaS型サービス導入モデル】
自前のデータセンターを立ち上げて、SaaS型で運用する体制に移行。証券業務をサポートする証券フロント・ミドルオフィスの豊富なラインナッ プ!
徳島氏は冒頭で紹介したサービス全般のラインナップやパッケージ開発から始めた同社の沿革について簡単に紹介した後、オンライントレーディングシステム、ディーリングシステム、コンプライアンス・売買審査部門のリスク管理システムといった一連の証券システムをアプリケーションとしてクライアントに提供する形態から、昨年にデータセンターを立ち上げて、SaaS(Software as a Service=インターネット経由で必要な機能を利用する仕組み)型で運用する体制に移行し、現在は切替を本格的に進めている状況だと語った。
徳島氏によれば、データセンターの基盤にIBMのエンタープライズ向けのクラウド「SoftLayer」を採用する事でインフラの構築、維持管理の時間とリソースをソフトウェアの機能性向上に充てられるという。こうした同社のサービスラインナップについて、以下の図にまとめる。
◎ビジネス拡張 【Fintech領域のサービスやAPIの公開、BtoB系の接続性の強化】
リテール向けのコンテンツ(PCウェブ、リッチクライアント、スマホ)に最も力を入れる一方、オールインワンシステムでFintech領域のサー ビスや金融仲介・取次ビジネスへの拡大、海外株や私設取引所等との接続にも注力!
徳島氏によれば、現状ではリテール向けのコンテンツ開発に最も力をいれている一方で、フロントおよび株価配信システム、注文執行システム等を全て同社で提供するというオールインワンシステムにより、個社戦略型ASPサービスによる差別化を実現しているという。
また、今後の展開としてAPIの公開に力を入れる予定で、同社のコンテンツが使っている重要なAPIをインターネット上に公開し、他社の取引ツール、ロボティクス系などのコンテンツを繋ぎこんでいくことで、Fintech領域のサービスや金融仲介、取次ビジネスにも柔軟に対応できる体制になっていると話す。
さらに、BtoB系の接続性の強化を図るため、対外システム(海外株、私設取引所等)との外部接続に繋ぎこむためのゲートウェイシステムを今後充実させていく方針で、既にAPI公開と外部接続については、大手ネット証券で導入実績があるという。こうした、同社のサービス展開のイメージ図は以下の通り。
◎専門のエンジニア集団 【社員の殆どがエンジニア】
内製化により実現できる短納期&低コストでのサービス提供が強み!
最後に、同社の強みについて徳島氏に聞くと、「弊社は社員の殆どがエンジニアで、基本的に全てを内製化しています。ネットワークの通信ライブラリーなども内製化することで、短納期&低コストには自信があります。」と語り、さらに「内製化されていない場合、通常、他社はミドルウェアなども高価なものを使ったりしていますが、そのためにどうしてもシステムインテグレーター(SIer)を入れなくてはならなくなり、プロジェクトがどうしても大がかりになります。この点、弊社は全て内製化しているので、低コスト・短納期でシステムを導入できる点が大きな強みといえます。これは、要件定義や開発運用まで一貫して弊社が行う事で、業務知識から細部の技術ノウハウまで社内に蓄積されている成果だと考えています。また、内製化という強みを生かして品質強化の取り組みをシステム的に行っています。現在、10億件ほどのテストケースを日々自動的に実施しています。これはソースコードの細部まで制御可能な弊社ならではの取り組みではないかと考えています。」と語った。
「Trade Agent」は、インターネット取引黎明期からシステム導入実績のある同社の主力ソリューション。オンライントレードに必要な機能が全て同一の基盤に実装された証券総合フロントシステムであり、同社はそれをベースにして、今後さまざまな戦略的なビジネス基盤を提供することで、クライアント企業の新しい取組や新サービス、ビジネス創出の機会をサポートをしていくという。
(取材、撮影、記事、編集・制作:柴田 潔 @株式会社グッドウェイ)