2014年10月1日(水)、パワープレイスは、東京・中央区新川の内田洋行本社ビル内にあるユビキタス協創広場 CANVASにおいて、認定NPO法人ロシナンテス理事長兼医学博士 川原 尚行さんを招き、屋台大学を開催した。会場の「ユビキタス協創広場 CANVAS」は、内田洋行が掲げる”協創により新たな価値を創出する”をテーマに、最新の技術、デザイン、コンテンツを基に、内田洋行が提供する施設。
TBS「情熱大陸」や、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」にも取り上げられた川原 氏は、スーダンを中心に医療活動をしているロシナンテス の代表。元外務省の医者から一転、NPOを立ち上げスーダンで医療活動 を続ける川原 氏が語る強い意志と愛と人生。氏から発せられるパワーの凄さと圧倒的な前進力、圧倒的な想いは序盤から聴衆をぐいぐい引き付ける。
過酷な環境で、病気になり苦しんでいる人々を助けるため、制限のある外務省職員としてではなく、個人として本格的に支援する道を選択し、2005年に外務省を辞職。その後、現地の族長との交流・診療所の建設・救急車の手配から、井戸の完成・学校の建設など医療の枠を超えた活動を精力的に続けている。
東日本大震災時は被災地へ入っての支援も行っている。「支援にいくにも救急車がない。じゃあどっかから借りてこよう。」と貸してくれそうな病院に頼み込んで救急車を調達。さらに学校に避難した多くの人々の治療はもちろん、被災者を元気づけるためにラジオ体操・子供と思い切り遊ぶこと・花見など、現地の人々の心を癒すことに尽力した。
さらにスーダンの子供達を東北の被災地へ招待し、交流を深める運動会を開催。スーダンで川原さんを逮捕した警察官と仲良くなり、日本の実家へ招くなど、川原 氏の行動力は止まる事を知らない。
最後にハチドリの一滴(ひとしずく)の話。動物が暮らす森で火事が起こった。嘴に雫を含み森火事に一滴ずつ水を運ぶハチドリに対して、森から逃げた動物たちは「そんなことして何になるのだ」と笑う。ハチドリは「私は、私にできることをしているだけ」と答えた。ちいさな力の大切さを教えてくれる
南米アンデスの話。
「人がやっていることに大小とかないんです。」自分に誇りを持って、お互いに認め合っていくことの大切さを説く氏の講演に、講演終了後は拍手喝采がしばらく鳴りやまなかった。
講演が終わった後は、階のフリースペースで親睦会。協創広場CANVASでは、定期的に「屋台大学」と呼ばれる、業種業界問わないさまざまな経歴を持つ人々が集まっての講演会・交流会が開かれており、今後も興味深い講演が予定されている。
(取材、撮影、記事、編集・制作:柴田 潔、村上 遥 @株式会社グッドウェイ )