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2013/03/12

【金融庁他】国際コンファレンス「アジア金融セクターの強化」

| by:ウェブ管理者



2013年3月8日(金)、金融庁 金融研究センターは、アジア開発銀行研究所(ADBI)との共催により、国際コンファレンス「持続的・包摂的な成長に向けたアジア金融セクターの強化」を金融庁・中央合同庁舎第7号館で開催。冒頭の開催挨拶には、寺田 稔 内閣府副大臣兼復興副大臣、河合 正弘 アジア開発銀行研究所長兼CEOが登壇しました。



本コンファレンスでは、欧米及びアジア地域から研究者、シンクタンク、当局者、金融機関の実務家等(※1)を招き、アジアの金融市場の発展と安定を促進するような規制や制度のあり方について議論がおこなわれました。

(※1)金融庁、金融研究センター、アジア開発銀行研究所、東京大学大学院、監査法人トーマツ、みずほコーポレート銀行、フィリピン中央銀行、韓国金融監督院、岡三証券グローバル金融調査部、AFI(フィナンシャル・インクルージョン・アライアンス)、三菱東京UFJ銀行、英国金融サービス機構、元タイ中央銀行総裁、インドネシア金融庁と様々な地域と分野から参加。



基調講演では、畑中 龍太郎 金融庁長官、ムリヤマン・D・ハダド インドネシア金融庁理事長が登壇。



各セッションでは「グローバルな金融規制改革 -アジアへのインプリケーションと教訓」、「アジア金融セクターの改革への課題」、「アジア地域の規制監督体制 ・枠組みの強化」、「アジアにおけるこれからの金融規制」という4つの大きなテーマの下、様々な報告や議論が行われました。



セッション4のパネルディスカッションでは、クリスチャン・ハント 英国金融サービス機構外国銀行局投資銀行・信託銀行部門課長によるコーポレートガバナンスとカルチャーに関するプレゼンの中で、アジア系のグローバル金融グループの英国内におけるローカル金融機関の意思決定が本国主導で決まってしまい、現地CEOの自主性や自立が乏しいという状況が多い傾向に対してローカルガバナンスの更なる強化の必要性が唱えられました。
また、大矢 俊雄 金融庁総務企画局参事官はアジア金融規制の成長への貢献と日本のアプローチの中で、日本における金融規制の質的向上(ベター・レギュレーション)に向けた金融機関の自主的な取組み(自主努力・規律・ガバナンス)を促すために、コミュニケーションを尽くし、定期的に対話・連携することで信頼を高め合いながら関係強化を図っていくことの重要性が示されました。


<取材を終えて>

世界を取り巻く金融インフラが急速に変化しボーダレス化が進む中、各国固有の生態系で進化してきた金融規制の在り方と歴史を背景に、相互上場、国際競争力強化(スピード、コストメリット、流動性)、国内外投資家に対するメリット拡大(税制優遇、規制緩和、事務簡素化)といった金融市場インフラの標準化とローカルルールの差異を吸収するオペレーションの整備が進んでいます。
一方、バブル崩壊、アジア通貨危機、リーマンショック、欧州債務危機など、世界の経済と社会が密接に結び付いた金融規制整備は金融セクターの成長の要でもあり、安定化・健全化に向けて過去の事例から学んだ多くの金融オペレーションの有効性と副作用について今後に活かすべく、金融規制に関わる議論は避けられません。


スマートフォンの登場に加え、SNSや位置情報をはじめとする思考行動分析によるライフスタイルの変化が牽引役となり、これから参入拡大が見込まれる非金融分野サービスへの金融サービスの組込みなど、新しい変革に向けたイノベーションにブレーキをかけることなく、かつ利用者保護の観点で本質的な安全性確保に向けた未来志向の戦略的金融規制のあり方とその行方に注目したいと思います。



09:31 | 写真:金融・IT業界向け




 

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