2023年1月25日（水）、一般社団法人第二地方銀行協会は、SARBLAB-Digital 実践 第7回SARBLABセミナー「海外Fintech事情」を開催した。
第二地方銀行協会が加盟行のデジタル化やSDGsの取組推進、およびスタートアップなどの外部企業との連携によるオープンイノベーションを支援するためのSARBLAB（Second Association of Regional Banks Laboratory）の今回のセミナーテーマは「海外Fintech事情」。オープンAPIによりDXの波が押し寄せ、金融サービスが大きく変化するなか、今後の金融界におけるDXを展望する観点から、最先端といわれるアメリカやイスラエル、シンガポールにおける最新のFintech事情が共有された。
冒頭の挨拶で牛田 遼介氏（金融庁 総合政策局 イノベーション推進室長 兼 Fintech Officer）は、組織の改定から事業者からの新事業相談への対応、FIN/SUM等のイベント開催、Web3等の新しいビジネス動向の調査といったイノベーション推進室の取組み内容を紹介後、フィンテック事業者のみならず会員行や今日のセミナー参加者なども、推進室として関係部署とも連携しながら幅広く支援したいと挨拶。今回のセミナーは国内外事業者の連携や金融高度化につながるほか、海外視察を通じて海外フィンテック事業者の日本への参入意欲が非常に強いと感じたとの感想も共有。最後に2023年2～3月に開催される共に金融庁、日本経済新聞社主催の「Regional Banking Summit × 日経 地方創生フォーラム」および「FIN/SUM 2023」を紹介して挨拶とした。なお、この日の進行は榎本 清人氏（第二地方銀行協会 SARBLAB室 室長）が務めた。
【キーノート】「米国シリコンバレーのVC動向とフィンテック・金融機関アライアンスの方向性」
シリコンバレーからライブで出演した齊藤 健一氏（Sozo Ventures Senior Director）は同社のプロフィールを紹介後、シリコンバレーのスタートアップエコシステムのアップデート、Fitech注目分野や金融機関を含む大企業とスタートアップのオープンイノベーションやアライアンスについて、最新の情報を共有した。
【アメリカ】「営業支援ツール MOXTRA」
サンフランシスコのベイエリアからオンラインで出演した水戸 英輔氏（Moxo）は、取引先とのワークフローとビジネスコミュニケーションを一元対応するワンストップチャネルについてプレゼンテーションを行った。
【シンガポール】「BNPL・分割後払い Pace」
三浦 祥太氏（Pace Enterprise Japan Business Development Manager）は、シンガポールに本社を構え、後払いの決済サービスを展開している同社の概要やBNPL（後払い決済）市場の成長性について語った後、０％金利+3回分割払い「pace」のサービス概要を紹介した。
【イスラエル】「マニュアル電子化サービス EasySend」
村田 匡以氏（トッパン・フォームズ）は代理店の立場から、欧米の金融機関をはじめ世界の70社以上が導入する帳票や業務を電子化するデジタルプラットフォーム「EasySend」の概要を説明。守屋 徹氏（トッパン・フォームズ）による操作のデモンストレーションも行われた。
【シンガポール】「パーソナライズ・レコメンデーションエンジン Moneythor」
辻 人嗣氏（Moneythor）は、金融機関に対してデジタルバンキングサービスへの顧客のエンゲージメントを改善するための最新ツールを提供する同社のミッションやプロフィール、サービスの特徴、課題・戦略の具体例をなどを紹介した。
【アメリカ】「コミュニケーションツール Symphony」
上原 玄之氏（Symphony Communications Services,LLC）は冒頭にテクノロジーのトレンドと影響の遷移について触れた後、自ら体験することの重要性を説きながら、統合されたメッセージング、ファイル共有、音声・ビデオ会議、画面共有を使用して効果的なコミュニケーションを実現する同社のコラボレーション・プラットフォームの概要などを紹介した。
第7回SARBLABセミナー「海外Fintech事情」は、SARBLABとして初めて会員行の枠を取り払って一般公開で登録を受け付けた結果、当日は100名を超える視聴参加があったという。最後に、出演した事業者に関心がある場合は事業者に直接連絡するか、もしくはSARBLAB室へお問い合わせいただければとの挨拶によりセミナーは閉会した。
