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2016/09/13

【日本銀行】第1回 FinTechフォーラム(8月23日)議事概要

| by:ウェブ管理者
日本銀行は、8 月 23 日に「第 1 回 FinTech フォーラム」を開催しました。

今回のフォーラムでは、生体認証システムのセキュリティ評価とブロックチェーン技術の安全性について活発な議論を行いました(参加企業・団体一覧は別紙参照)。

生体認証の技術面では、人工物を利用した所謂「なりすまし」のリスクに対応するため、多様なセンサーを搭載するスマートフォンを活用した複数の認証を組み合せるアイディアが報告されました。また、身体的特徴である生体情報の漏えいリスクに対応し、暗号化した状態での生体情報登録や照合等の処理を行う取組みも紹介されました。セキュリティ面では、評価の尺度・手法の標準化が確立されておらず、複数システムの横並びでの評価や脆弱性であるか否かの判断が難しい領域がある点や、国際標準化に向けた取組みが進められていることが報告されました。

ブロックチェーン技術については、セキュリティ上の課題が整理されたほか、秘密鍵を紛失した場合の対処として、秘密鍵を複数持つ技術の紹介がありました。また、貿易金融やサプライチェーンへの活用の動きが紹介されました。特に、証券決済において、関係者が約定内容や決済状況をブロックチェーン上に登録することを通じて、情報を共有する仕組みが紹介され、ブロックチェーンを「情報の伝達」に利用するという可能性の広がりが感じられました。

もっとも、ブロックチェーンの安全性を検証して実運用に移すには、なお多くの課題が残されており、スピード感をもった対応が必要との考察も示されました。特に、金融サービスへの活用に当たっては、ブロックチェーンが参加者間相互のパブリック型での情報共有が前提とされる中、必要な情報を必要な参加者だけに閲覧可能となるよう、情報の秘匿性を適切に確保する技術が必要との声が多数聞かれました。また、The DAO 事件については、問題への対応がパブリック型のブロックチェーン全体の信頼性の問題に繋がり得る点が指摘されました。


原文はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/rel160913a.pdf

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