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2024/11/13

【FinGATE(平和不動産)】FinGATE Campus 第12回「持続可能な未来を築くインパクト投資」を開催!

| by:サイト管理者

 2024年8月19日(月)、平和不動産は、東京の金融街「日本橋兜町・茅場町」に位置する金融インキュベーション施設「FinGATE KAYABA」にて、「FinGATE Campus 第12回 持続可能な未来を築くインパクト投資」を開催した。

 FinGATEは、2022年10月に平和不動産が立ち上げたコミュニティであり、起業家や金融スタートアップを対象に、定期的にセミナーや交流会を開催している。今回のセミナーでは、インパクト投資の基本から具体的な事例に至るまで幅広く取り上げ、社会的リターンと経済的リターンを両立させる投資の意義や今後の展望について議論が行われた。



 総合司会は徳川 むつみ氏(オリナスパートナー 代表取締役)が務め、オープニング挨拶としてFinGATEの主催者である平和不動産の中島 優人氏より、兜町・茅場町地域の再活性化を目指すFinGATEの活動について説明があった。

 FinGATEは、金融分野の起業家や企業を支援する目的で設立され、かつて渋沢栄一氏が多くの企業を創業した歴史ある兜町を再び活気づけるために活動している。すでにFinGATEには90社を超える企業が入居しており、オフィススペースの提供に加え、スタートアップ向けのイベントスペースや特別なサポートサービスも用意されている。このFinGATE Campusセミナーは、知識を共有し、起業家同士が交流できる貴重な場として開催され、さらにはFinGATE Clubという形で定期的なコミュニティ形成も行われている。

  FinGATEの説明後、徳川氏より、本日のプログラムが講演2本とパネルディスカッションの2部構成であることが紹介された。



 最初に、熊沢 拓氏(ソーシャルインパクト・リサーチ 代表パートナー、SBI大学院大学 講師、桜美林大学大学院 講師)による講演『インパクト投資の未来予測〜二人の偉大なインパクト投資家のケースから学べる点は何か?〜』が行われた。熊沢氏は、インパクト投資が社会に及ぼす可能性について、イギリスでソーシャルインパクトボンドを創始したロナルド・コーエン氏と、貧困層支援で知られるムハマド・ユヌス博士の取り組みを例に挙げて解説した。コーエン氏とユヌス博士の活動を通じ、投資が社会課題の解決に貢献する仕組みを説明し、インパクト投資の本質を考える機会となった。

 続いて、高木 麻美氏(Stem for Leaves 代表取締役、社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ 理事、多摩大学サステナビリティ経営研究所 客員研究員)による講演『企業におけるインパクト・マネジメント』が行われた。高木氏は、企業が社会的インパクトを管理するインパクト・マネジメント(IMM)の必要性と課題について、具体例を交えて説明した。彼女は、IMMを活用することで、企業が経済的利益と社会的貢献を両立できる仕組みが整うと語り、ユニリーバやリクルートといった企業の取り組みを紹介した。IMM導入に伴う課題や工夫を説明し、企業活動の中で社会的価値をどのように実現できるかを考える場となった。



 パネルディスカッション「持続可能な未来を築くインパクト投資」では、熊沢氏、高木氏に加え、五十嵐 剛志氏(KIBOW社会投資ファンドインパクトスタートアップ協会 監事)、松下 敏之氏(カディラキャピタルマネジメント 代表取締役)が登壇し、藤井 達人氏(みずほフィナンシャルグループ デジタル企画部 執行役員、日本ブロックチェーン協会 理事)がモデレーターを務めた。

 ディスカッションでは、特に「日本におけるインパクト投資の遅れ」について意見が交わされ、日本の投資文化と社会的な背景が影響していることが指摘された。具体的には、日本では社会課題の解決に対する投資が欧米ほど活発ではなく、また「隠徳」の文化がインパクトのアピールを控える傾向を生んでいるため、国際的な理解が進みにくいという課題が挙げられた。

 また、インパクト投資と財務リターンの両立についても活発な議論があった。五十嵐氏は、インパクトそのものが広義の企業価値を向上させると指摘し、そのための評価基準であるインパクト会計が必要であると述べた。一方で松下氏は、投資家の期待に応えるためにも、インパクトだけでなく財務的なリターンを確保する必要があり、バランスを取ることが重要であると強調した。



 全てのプログラムが終了し、来賓として西井 健二朗氏(セブン銀行 常務執行役員 バンキング統括部・金融戦略推進部担当、Fintech協会 理事)による乾杯が行われた。

 ネットワーキングでは、参加者に軽食とお酒が提供され、有意義な情報交換の場となった。多くの参加者が新たなつながりを築き、インパクト投資に関する知見を共有する機会となった。



 FinGATE Campusは、今後も以下の予定でセミナーが開催される予定である。引き続き今後の活動に注目したい。

 【参考】今後の開催予定

  ※FinGATE Campus 第14回「スタートアップの成長を支える知財戦略のきっかけと最適化」
   (FinGATE KAYABA / オンライン配信) 2024年11月15日(金)

  ※FinGATE Campus 第15回「フィンテックトレンド2025」
   (FinGATE KAYABA / オンライン配信) 2024年12月13日(金)

  ※FinGATE Campus 第16回「未来の自分のために今できること:Z世代の金融リテラシー講座」
   (FinGATE KAYABA) 2024年12月16日(月)



09:56 | 写真:金融・IT業界向け




 

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