県内総生産のうち、製造業が占める割合が25.4%(平成30年度)で東北首位である山形県のものづくりの歴史は、平安時代から連綿と受け継がれており、今回は山形のものづくりの魅力発信が、全国・世界と新結合を生み出すきっかけ作りとなることを目指して開催された。
冒頭の挨拶でジョージ・ヤマガタ氏は、今回は山形のものづくりに携わる人に焦点を当て掘り下げていくとして、平安時代後期の鋳物造りから1,000年以上続く山形のものづくりの歴史、および高品質で独自性の強い現代における県内製造実績を紹介。
その上で、本日はものづくりの最先端を担い、山形のものづくりに関わるゲストを全国からお招きし、今秋に誕生予定の霞城セントラルのベンチャースペースでは、県内企業と全国のビジネスパーソンが出会い、語らい、未来の産業を作る場ができるので、本日の登壇者の皆さんと未来のものづくりに向けた作戦会議をぜひ行いたいと語り挨拶とした。
パネルディスカッション
| 「山形でものづくり、山形とものづくり」 |
パネルディスカッション「山形でものづくり、山形とものづくり」では、菊地 規泰さん(菊地保寿堂 代表取締役社長)、髙井 作さん(マイスター 代表取締役会長)、竹下 泰平さん(NECパーソナルコンピューター 執行役員 生産事業部長)、月本 久美子さん(山形県工業技術センター デザイン科主任研究専門員)、浜野 慶一さん(浜野製作所 代表取締役CEO)、松本 晋一さん(IBUKI 代表取締役会長)の他、省庁関係者として矢島 一郎さん(財務省 関東財務局 長野財務事務所所長)、海老原 史明さん(経済産業省 中小企業庁 金融課総括補佐)が参加、小林 剛也さん(山形県 みらい企画創造部長)が進行を務めた。
パネルでは前半を「山形でものづくり」として、山形でものづくりをしている登壇者を中心にディスカッション。山形城主の御用鋳物だった山形鋳物、パソコン等IT機器、切削製品等、登壇者の製造物の歴史・概要、工業技術センターのプロフィールや支援内容等が紹介された後、主に製造を取り巻くコミュニティーおよび地域ネットワークの重要性について情報・意見を交換し合った。また、海外展開においてはインターネット活用による成功事例なども紹介された。
後半の「山形とものづくり」では、県外との新結合で如何にイノベーションを生み出していくかとして、登壇者の事業紹介の後、現時点で取り組んでいることや構想や夢が語られた後、省庁関係者からは後押しする政策やスマートニッチ(規模や経験に関わりなく、志をもって社会に価値を提供続ける企業や個人)の概念について説明。山形ものづくりのエコシステム構築に向けて、様々な情報が登壇者から共有される中、次回はぜひ直接会ってディスカッションしたい、としてパネルは終了した。
閉会にあたってジョージ・ヤマガタ氏は、次回は事業承継問題をテーマにして開催すると挨拶。経営者の高齢化が進み、多くの零細・中小企業がさまざまな事業承継問題に直面している中、血縁関係のない跡継ぎが承継した事例として、廃業した観光ワラビ園を引き継いで復活させた例なども紹介される予定だ。
次回のジョージ・ヤマガタ氏Presentsオンラインセミナーは、2021年5月27日(木)18:00~、「アトツギベンチャー」と題して開催される予定となっている。
(取材、記事、編集・制作 : メディアプロモーション事業部@グッドウェイ )