冒頭に、メディアラウンドテーブル趣旨・進行に関して、藤本 あゆみ氏(Plug and Play Japan, Director, Marketing and Communications)より説明。
「Plug and Playの取り組みとは」では、ヴィンセント・フィリップ氏(Plug and Play Japan, マネージングパートナー)が登壇。GoogleやPayPalが入居したはじまりから、大企業とスタートアップのイノベーションプラットフォームとして、メンタリング、投資、オペレーション、ネットワーキング、企業イノベーションなどを通じて2017年は262社に投資し、支援した企業の調達総額は6億米ドルに上ることを明かした。世界26拠点でアクセラレータプログラムを展開する一方、日本の成功事例が少ない点を指摘。原因として、スタートアップに対する社内理解の欠如やリソースの制約、ビジネスユニットとの物理的な乖離やスタートアップとのミスマッチを挙げ、スタートアップとの協業を進めるための解決策とチームメンバーを紹介した。
「Plug and Playの“Batch”」では、矢澤 麻里子氏(Plug and Play Japan, COO)が登壇。“Batch”の概要やスケジュールについて説明した上で、Plug and Playの特徴として数万社のスタートアップデータベースを紹介。アクセラレータプログラムの採択までのプロセスとプログラムの特色(海外進出支援、大企業との連携を推進、ネットワーキング機会の提供、東京都心での活動拠点の提供)、採択スタートアップに提供する具体的なプログラムのコンテンツやこれまでの“Batch”の実績について解説した。
「Plug and Playのパートナー」では、内木 遼氏(Plug and Play Japan, CSO)が登壇。Plug and Playのプログラムに参画する理由としてイノベーションギャップの存在を挙げ、オープンイノベーションの潮流の中で、スタートアップ連携と、R&DやM&Aとの比較では、リスクやコストを抑えながら事業化に向けて中期的に顧客ニーズを捉え提供価値を明確にできる点を強調。Plug and Playが提供する3つのコンテンツ(アクセラレータプログラム、ディールフロー、新規事業創出・企業間連携支援)と企業パートナーについて紹介した。
日本においても、大企業とスタートアップの協業への機運が高まる中、現実的な成功事例に辿り着くためには、これまでシリコンバレーをはじめとするエコシステムの中で磨かれたテーマ別アクセラレーションプログラムやコンテンツ、データベースやネットワークを有効に活用し、外部環境の変化を捉えながらアクセルとブレーキを使い分け、イノベーションギャップを乗り越え、前に進んでいく必要がある。これからのPlug and Play Japanの“Batch”や事業展開に注目したい。