<参入が続くFX提供ベンダー、次世代化の行方に注目!>
2010年11月1日、インターネットイニシアティブ(IIJ)は、ASP型で金融機関向けに外国為替証拠金取引(FX)システムを提供する「IIJ Raptor(ラプター)サービス」を開発し、2010年11月より提供を開始すると発表した。
くりっく365、大証FX、OTCの3市場が一つのプラットフォーム上で取引ができるため、利用者側の利便性が大幅に改善され、事業者は最小限の投資でFXシステムの運営を行うことができ、また効率化されたシステムの運用によりシステムトラブルなどのリスク低減が期待できるという。
また、韓国ALTIBASE社のハイブリッドメモリデータベースを採用、取引における各処理を同時並行で行うことで、毎秒1,000件以上の約定処理を実現し、大量の取引が一度に発生した際にも安定的なサービス提供が可能となり、大量のデータを高速に処理することができるという。
今後も当該サービスのシステムをベースに、CFD(差金決済取引)やデリバティブ取引など、他金融商品のオンラインシステムの開発を積極的に展開していく予定ということで、
今後の同社の取組みに注目が集まる。
同日、リテラ・クレア証券、みずほ証券、それぞれ以下のプレスリリースを発表した。
リテラ・クレア証券は、2010年11月29日よりインターネットイニシアティブ(IIJ)が
開発したFX 取引システム「IIJRaptor(ラプター)サービス」を採用し、「くりっく365」の次世代FX
取引システムによるサービス提供を開始すると発表した。
これまでは、東京金融取引所が提供する取引システムによりサービスを提供していた。
<新システムの主な特徴>
①高速な約定処理能力 (例)1秒程度の値洗いスピード
②、取引操作性及びスピードに特化 (例)チャート発注機能
③当初3チャネル
・プロ向けリッチクライアント
・や初心者向けWEB(ブラウザ版)
・モバイル(携帯電話)
※来春にはスマートフォンの iPhoneFX 専用アプリを導入予定という。
みずほ証券は、2011年1月上旬より、ダイレクトコースにおいて、「くりっく365」を「みずほFX」として取扱いを開始する予定とし、2010年12月6日より、口座開設の申込み受付を開始する予定と発表した。
一方、現在「くりっく365」を含むFX市場で圧倒的な実績により高いシェアを握るシンプレクス・コンサルティングも2011年3月期 第2四半期決算説明会の中で、来春リリース予定で次世代システム(次世代SPRINT)の開発を進めていることを発表、
日本ユニシスも既に岡三オンライン証券へ提供している「くりっく365」取引システムのSaaS型サービス「TRADEBASE™ for FX」を、証券、コモディティ、FXまでのトレーディングシステムを総合的にSaaS型サービスとしてラインナップ化し提供する予定でいるなど、
収益率の低下と競合会社との差別化に悩むFX業者が、今後に向けた事業戦略の要となる狙いとキーファクター、新サービスの企画、システムベンダーの採用などの行方に注目していきたい。
-以上-