(VOL.662)金融ソリューションと基盤、海外ブランディング強化へ
2013年4月4日、野村総合研究所(NRI)は、これまで機能別のブランド名で提供してきた海外の金融機関向けソリューション(I-STAR/GV:ホールセール証券業務のバックオフィスソリューション、T-STAR/GV:資産運用会社向けのグローバルバックオフィスソリューション、など)について、「NRI Financial Solutions」でブランドを統一したと発表した。昨今、NRIの金融ソリューションが日系金融機関に加え、グローバルでビジネスを展開する海外の金融機関からも高い関心が持たれているといい、「金融に強いNRI」のイメージを高める新たなブランドが必要と判断。新たに制定したブランドロゴを用いてグローバルでのブランディングを進め、マーケティング活動を加速していくという。
2013年4月1日、インターネットイニシアティブ(IIJ)は、IIJグループの国際事業強化の一環として、海外でシステムインテグレーション(SI)事業を展開する子会社で、ロンドンとデュッセルドルフに拠点をもつIIJエクスレイヤの英国現地法人に、2013年2月に資本増強を行うと共に、IIJエクスレイヤの英国及びドイツ現地法人の社名変更を行うと発表した。また同時に、ロンドンにデータセンターを開設し、日・英・米を大容量回線でつないだ高速バックボーンネットワークを構築、欧州へのバックボーン拡張では、日英間をロシア経由で直接つなぐことにより伝送遅延を低減し、日本から欧州への接続性を大幅に向上させるなど、クラウドサービス提供に向けたサービス基盤の構築を進めていく。
2013年3月28日、電通国際情報サービス(ISID)は、採用内定者向けの新たな研修プログラムとして、入社前から最先端の技術やサービスに触れ、海外のITベンチャー企業と交流できる、体験支援プログラムを開始したと発表した。すでに、今春入社する採用内定者のうち希望者10名が本プログラムに参加し、海外注目ベンチャーのサービス調査を行ったという。
日本で培われた金融ナレッジやノウハウが詰まった金融機関向けソリューションが海外でも活用されるチャンスが広がっている。また、インターネットサービスの広がりにより、国境を越え、世界を瞬時に駆け巡るデータへの高速アクセスと通信、消費電力や地勢上の事由によるデータの分散と保全など、高速ネットワークを実現するためのサービス基盤の構築の整備も進んでいる。海外ブランディングや基盤の強化、海外ITベンチャーとの交流機会や海外での調査活動への参加などを通じて、ますます国境のボーダレス化が進む金融ITサービスの世界において、日本企業の活躍の場が広がっていくことに期待したい。
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