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(VOL.1103)アーク東短オルタナティブ、本社オフィスを移転、投資家と運用会社をつなげるプライベートエクイティ(PE)専門業者として良い会社を育て良質な資金循環を起こす、直撃インタビュー!URL
ウェブ管理者2015/09/08 19:00:36

 2015年8月24日(月)、アーク東短オルタナティブは、米国ボストンを本拠とするオルタナティブ(代替)投資専門の米運用会社 ブルック・プライベート・エクイティ・アソシエイツ(Brooke Private Equity Associates、以下、BPEA)と業務提携し、BPEAのアドバイザリーサービス機能を日本の機関投資家に独占的に提供すると発表した (プレスリリース)。今後、共同組成するプライベート・エクイティ(PE)のグローバル・ファンド・オブ・ファンズについて、年金基金や大学基金をはじめ日本の機関投資家向けにリターンとリスクを基としたカスタム・メード型のファンドを組成し提供する業務を開始するという。今回の発表は、日本経済新聞でも記事「アーク東短、米運用会社と提携 独自ファンドを提供」として掲載されるなど注目を集めている。

 2015年7月8日(水)、グッドウェイは、アーク東短オルタナティブ 代表取締役社長 棚橋 俊介氏、 取締役 鈴木 英典氏を訪ね、これまでの軌跡や今後の事業展開のほか、出来上がったばかりのオフィス空間のコンセプトや狙いなどについて聞いた。

 同社は2015年6月29日(月)に本社オフィスを移転。受付を過ぎるとすぐ目の前に杉の素材に囲まれたオープンスペースが広がる。オフィスも木をいたるところに使ったデザインとなっており、とても開放感を感じる空間となっていた。窓から差し込む日差しで室内も映え、とても東京駅すぐそばのオフィスとは思えない、自然を感じる空間に心も和む。

 テーブルや椅子には廃材を組み合わせた合板を使い、環境にもコストにもやさしい。前オフィスで撮影した東京駅改築の様子(1,035日間、15万枚)をつなぎ合わせた動画を通じて企業の理念やミッションを紹介。金融 + アート + IT で新たな世界を描いていきたいという。なお、オフィスの設計と実装は、内田洋行のグループ会社で経営資源の可視化とエンパワー化およびリレーションデザインを掲げ、「日本全国スギダラケ倶楽部」を通じて杉の新しい使い方を提案するパワープレイスが手掛けた。

1.主な事業内容について教えてください。

 当社はプライベートエクイティ(PE)専門業者として、投資家、運用会社をつなげるべく、ファンドの販売を行うプレースメント・エージェント業務、PEファンドの譲渡を支援するセカンダリー・ブローカレッジ業務、そして急速に盛り上がっているPE選定からデューデリジェンスまで行うアセットマネジメント業務を行っています。最近の投資家は目も肥えてきているため、これまでのようなパッシブ運用などシステムでまわすようなありきたりのものではなく、商品のプライベート化、つまり本当の意味で付加価値のあるニッチなものを求める声が高まっています。ニッチで希少であるがゆえにマーケットの歪みを狙える一方、その選定や目利きは難しく、当社では、これまでに蓄積した経験をフォーマット化するなど経験に基づく仮説力を多く持つことで、例えば一般に6ヶ月ほどかかるようなデューデリジェンス案件も、1ヶ月ほどで行うことが出来、そこを強みとしています。

2.メインマーケットについて教えてください。

 メインマーケットは、主に機関投資家と運用会社の二つに分けられます。年金基金などは当社の経営陣が持つこれまでのネットワークにより、また、金融機関はグループ会社である東短グループの紹介により、独立系ならではの意思決定とグループのクレジビリティーを活かしたハイブリッドなアプローチでビジネスを展開出来ており、優位性を持っています。一方、このマーケットは規制や言語がエントリーバリアとなっていますが、今後、ビジネスサイズが大きくなるほど大手の参入も予想され、早ければ1年ほどでバリアを乗り越えてくるかもしれません。そのようなこともあり、プレースメント・エージェント業務については米国イートン・パートナーズと業務提携(2010年)、セカンダリー業務については英国セカンダリー専門業者と業務提携(2012年)、また、アセットマネジメント業務においては、前述のBPEA社と業務提携(2015年)するなど、時間を買うための業務提携を急速に進めており、トップティアのお客さまに持っていくことができる良い商品の供給を増やしていくことで、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、公的企業年金、大手企業年金などから、PEのことなら全て任せて頂けるような存在になることを目指し、世の中のため、業界のために役立ちたいと考えています。

3.今後の取り組みについて教えてください。

 事業の多様化・複雑化・規模が拡大していく中で、情報管理やオペレーションにおいてファイアウォールをしっかりと考慮すべく、今回の新オフィスへの移転と合わせ、一層の物理的な空間の分離と組織構造の見直しを行いました。また、海外の提携先のオフィスに担当者を配置するなど情報基地の拡充もグローバルに推進しています。大事にしたいのは”想い”。そのベースこそがPRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)であり、ESG(Environmental, Social, Governance: 環境・社会・ガバナンス)であると考えています。特にガバナンス(G:Governance)については真面目に取り組んでいきたいと思います。

 アーク東短オルタナティブは、「PEファンド投資が世界を変える」をメッセージとして掲げ、PEファンド投資を通じて良い会社を育てるとともに、良質な資金循環を起こす一助となること使命に、PEビジネスに無限の可能性を信じて、投資家、運用会社、その他PEに関わる全ての課題を解決するために邁進していくという。

 2015年8月27日(木)、アーク東短オルタナティブを会場に「金融イノベーションラボ」が開催された。この日はこのオフィスを手掛けたパワープレイスの担当者をスピーカーに迎え、金融、IT、資金運用、アート、建築と多様な分野から専門家が集い勉強会と懇親会が行われた。大事な想いを共有し、イノベーションを通じて日本の社会構造に対して影響を与えていくきっかけを生み出す場として、今後の活動に注目したい。

 アーク東短オルタナティブでは、ゲーム業界、金融システム開発で活躍した専門の講師を招き、「FinTech人材育成プロジェクト」と称して、社内外の人材開発のための研修を行っていくという。

◎詳しくは取材レポートをどうぞ
http://goodway.co.jp/fip/htdocs/jozye367b-3636/#_3636


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【コラム筆者】 
藤野 宙志(ふじの ひろし) 株式会社グッドウェイ代表取締役社長

日刊コラム1995年慶應義塾大学理工学部卒業後、キヤノンマーケティングジャパンでシステム開発に4年間従事。
1999年SBI 証券で業界初の日米間オンライン証券取引システムの立上げを手がける。ナスダック・ジャパンでは日米印3カ国オフショア開発を担当、新興市場創出の調整役として証券業界を奔走。2002年シンプレクス・コンサルティングでセールス担当、FXシステムを多数導入。2010年6月より現職。金融サービス&ITソリューション総合情報プロバイダーとしてポータルサイトを運営。


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