2013年8月15日、電通国際情報サービス（ISID）は、子会社である上海電通信息服務有限公司（ISID上海）を通じて、ISIDが開発した「信用リスク管理システム」の中国での販売に関して、博雅軟件股份有限公司との業務提携に合意したと発表した。中国においても、バーゼルⅢに基づく新たな銀行監督管理の枠組をまとめた「商業銀行資本管理規則（試行）」が2012年6月に金融当局から公表されており、中国内の全ての銀行が2018年末までの対応を義務付けられている。今回、銀行の自己資本規制であるバーゼルⅢへの対応が求められる中国の現地銀行向けに、ISIDの地域金融機関向け統合ソリューション「BANK・R（バンクアール）」のうち、信用格付やリスク分類などの機能を中国版として製品化したことで、2013年秋より本システムの中国展開を開始する予定。ISIDでは、今後、バーゼル対応に着手する中下位の銀行数は約150行に上ると見ており、博雅軟件との提携を通じて、これらの銀行を主なターゲットとして「信用リスク管理システム」を販売していく計画という。

　2013年8月13日、トレイダーズホールディングスは取締役会において、インドネシアに海外子会社を設立することを決議したと発表した。金融事業ポートフォリオの一つとして、経済成長著しいインドネシアの個人金融市場に着目し、インドネシア金融監督当局及び所轄事業者等と同国における金融事業開始に向けた協議・検討を重ね、この度、これまで日本で培ってきた外国為替取引および証券先物取引における個人顧客への金融サービス提供のノウハウを生かして、インドネシアにトレイダーズホールディングス95％出資の子会社を設立することを決議したという。子会社は、インドネシアの主要先物取引所であるインドネシア商品先物デリバティブ取引所（Indonesia Commodity and Derivatives Exchange）の取引所メンバー（ブローカー）に加入し、インドネシアにおける金融事業を展開する予定。

　日本で培ってきた金融サービスの提供ノウハウをベースに、ニーズが高まる海外金融市場におけるベストプラクティスとモデル展開が拡大している。将来の成長市場としてポテンシャルの高い新興市場に向けた仕組み化を効率的に速やかに推進すべく、日本の金融機関およびシステムベンダーの存在意義と活動価値が高まっている。言葉や文化の壁を超えたアジア経済圏の発展に寄与すべく、今後の各社のグローバル展開の行方に注目したい。

【ISID】信用リスク管理システムを中国に展開～中国ITベンダーと提携し、「BANK・R」中国版を現地銀行向けに今秋投入～
http://goodway.co.jp/fip/htdocs/jowobyyuh-483/#_483

【トレイダーズHD】海外（インドネシア）会社設立に関するお知らせ
http://goodway.co.jp/fip/htdocs/jog7cazpr-303/#_303