<インターバンク直結低スプレッド、大口個人と法人投資家の行方>
◎2011年6月13日(月)更新
2011年6月10日、FXプライムは、大口で取引する個人投資家および法人投資家を対象に、新商品として店頭FX取引『直ちょくトレFX』の取扱いを2011年7月11日(月)から開始すると発表した。
『直トレFX』は、顧客からの取引注文(最低取引単位は50万通貨、上限は500万通貨)を複数の金融機関に直接つなぐマーケット・ダイレクト方式のFX取引サービス。高い流動性と業界最低水準スプレッド(米ドル/円0.7銭程度)での取引が可能になる他、プロディーラーの声をもとに自社開発した取引ツールの提供によりスピーディーな注文が可能という。なお、現行の店頭FX『選べる外貨』のスプレッドは米ドル/円1~2銭、最低取引単位は1,000通貨、上限は200万通貨。
最低取引単位は500倍と一定以上の資金も必要となるがスプレッドが大幅にタイトとなるため、大口で頻繁に取引を行う個人投資家にとっては収益機会が圧倒的に高まると共に、法人投資家の場合は最大レバレッジ200倍での取引も可能となるため、資金効率が大幅に高まる一方、リスク管理も重要となる。
現在のFXプライムのカバー先は次の10行(JPモルガン・チェース銀行、シティバンク、ドイツ銀行、コメルツ銀行、バークレイズ銀行、UBS、ゴールドマン・サックス・インターナショナル、三菱東京UFJ銀行、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー)。FXプライムでは今回の『直ちょくトレFX』を通じた大口個人および法人投資家の呼び込みと共に、今後はFX以外の新商品(商品・株式指数、新興国通貨など)の拡充を目指していくという。
サイバーエージェントFXは、2010年4月にサービスを開始した『C-NEX』サービスにおいてインターバンク市場で豊富な実績を持つ「Currenex Classic」をプラットフォームに採用し、世界中の15の銀行(シティバンク・エヌ・エイ、クレディスイス銀行 ロンドン支店、コメルツ銀行、ゴールドマン・サックスグループ、JPモルガン・チェース銀行、スタンダードチャータード銀行、ドイツ銀行、ノムラ・インターナショナル・ピーエルシー、バークレイズ銀行、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ、BNPパリバ、香港上海銀行、モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・ インコーポレーテッド、 ユービーエス・エイ・ジー、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド )よりレート提供を受け、同様に高い流動性と低スプレッドでサービスを提供している。なお、最低取引単位は20万通貨、上限は無し。
C-NEXの取引規模は1年間で約12倍に成長、2011年4月の売買高は4月末の米ドル/円のレート換算で約2兆1340億円へと拡大。また、C-NEX全13通貨ペア中、2011年4月の取引通貨ペア別シェア分布では、「ユーロ/米ドル」が最も高い32%となっていることから、C-NEXが中・上級者から高い支持を受けていると考えられるという。
インターバンク市場との直結による低スプレッドサービスの相次ぐ登場により、出来高の多くを占める大口個人や法人投資家の行方に注目が集まっている。約定スピードや取引ツールの使い勝手など、システムの一瞬の動作で売買タイミングを競い合うだけに、今後の同分野の動向に注目していきたい。
-以上-