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(VOL.80)防戦の国内市場、未知なる海外市場への開拓者に期待
サイト管理者2010/11/22 07:03:31

<防戦の国内市場、未知なる海外市場への開拓者に期待>


2010年11月18日、ひまわりホールディングスは、第2四半期連結会計期間の経営成績を発表した。
 連結営業収益 13億37百万円
 連結営業損益 2億36百万円の損失
           (前年同四半期 1億34百万円の損失)
 連結計上損益 2億31百万円の損失
           (前年同四半期 1億56百万円の損失)
 連結四半期純損益 1億62百万円の損失
           (前年同四半期 3億51百万円の損失)


連結営業収益の内訳は、
 外国為替取引関連事業 9億51百万円
 有価証券関連事業 3億85百万円


レバレッジ規制や一方的な円高の影響を理由に出来高の減少が続く中で、代わりとなる3つの新しい取組みに着手しており、その取引高は全体の38%を占めるほどになっていると言う。


1.韓国FX業者とのBtoB取引の拡大


2.低スプレッドと高約定率を両立させた取引システム「ディールFX」の本格提供
  ⇒ドル円スプレッド原則1銭固定
  ⇒約定率100%
  ⇒平均約定スピード0.0066秒
  ⇒1回あたりの発注上限は1,000万通貨(ドル換算)
  ⇒提示レートに対する取引可能数量を表示


3.選ぶだけでシステムトレードが行える「エコトレFX」の積極展開


しかし、一方で「ディールFX」では、システム障害のため、取引システムへのログイン、取引、入金ができない状態となるなど、サービスの安定性確保に向けた取組みも課題となっている。障害時間も2010年11月12日(金)10時40分頃~17時30分頃 と長かったようだ。


システム障害という意味では、先日の外為どっとコムの業務停止命令が記憶に新しいが、


2010年11月16日、JFXにおいてもカバー先が1行しかないことにより、カバー先に問題が発生した場合、障害を回避することができない状況が続いているということを理由に、2007年8月から提供していた「外為ゼロ」の取引を、2010年12月20日を以って終了することを発表している。


なお、カバー先はOCBC証券 (所在地 : シンガポール)だった。


JFXでは既に今年2010年2月より最新の次世代取引システムによる「MATRIX TRADER」の提供を開始しており、「外為ゼロ」の終了に伴い希望する顧客に対しては資金及びポジションの移管作業に応じるという。


業績の低迷、サービスの淘汰、システムリスクの回避と、防戦が続いているFX業界だが、


一方で海外に目を向けた活動も水面下で動きが出始めているようだ。


2010年11月11日、EMCOMホールディングスは、香港において、香港並びにアジア諸国の個人顧客を対象とするFX 事業の展開可能性を検討すべく、香港市場のリサーチ、マーケティング及び香港におけるFX 事業ライセンス(証券先物委員会Type3 ライセンス)の取得を目的とした準備会社を全額出資で設立すると発表した。


既にシンプレクス・ホールディングスも、2010年9月15日、香港における現地法人を設立することを決議したと発表するなど、


今後、いち早く国内から海外(主に中国国内および東南アジア域内)への進出に足場を確立し、開拓した企業が次のチャンスを手に入れていくことになるだろう。


積極的な攻めの取組みが、活発化してくることを期待したい。


-以上-


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【コラム筆者】 
藤野 宙志(ふじの ひろし) 株式会社グッドウェイ代表取締役社長

日刊コラム1995年慶應義塾大学理工学部卒業後、キヤノンマーケティングジャパンでシステム開発に4年間従事。
1999年SBI 証券で業界初の日米間オンライン証券取引システムの立上げを手がける。ナスダック・ジャパンでは日米印3カ国オフショア開発を担当、新興市場創出の調整役として証券業界を奔走。2002年シンプレクス・コンサルティングでセールス担当、FXシステムを多数導入。2010年6月より現職。金融サービス&ITソリューション総合情報プロバイダーとしてポータルサイトを運営。


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