<飽くなきチャレンジ、金融業の中長期的な在り方の提唱>
◎2012年3月16日(金)更新
2012年3月15日、金融庁は、第12回金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」を開催したと発表した。
過去に策定された「金融・資本市場競争力強化プラン」、「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」に基づき、日本の金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループの中で検討を重ねてきたという。
その中で、今後の金融機関の在り方として、急速なグローバル化と少子高齢化の進展に伴い、企業向け金融サービスのグローバル展開、ローカル展開、および個人向け金融サービスの3つのサービスエリアに対し、それぞれの現状認識、取組みの方向性、金融機関の課題、課題克服について論じられている。
グローバル展開においては、サービスのきめ細かさ、リスク変換機能、情報生産機能の拡充を、ローカル展開においては、新規産業に対するリスクマネーの供給、フォワード・ルッキングな目利き、コンサルティング機能の強化を、そして、個人向けの展開については、個人のライフスタイルと価値観の変化、属性や世代の特性、金融リテラシーの不足を前提としたサービスの構築を目指し、データマイニング等の客観的な検証を通じた商品開発、戦略策定および中立的な立場での金融アドバイザーの育成の重要性を提唱している。
2012年3月15日、SBIホールディングスは、中国事業統括会社として中国大連市に設立し、開業準備を進めてきたSBI (China) Co., Ltd.を開業したと発表した。
日本国内で培ってきたオンライン金融事業、投資事業、金融サービス事業、金融メディア事業を中心に中国における事業展開を急速に進めていくため、「投資性公司」という法人形態をとり、中国事業全体の一元管理・統括を行っていくという。
2012年3月12日、三井住友銀行は、モンゴル開発銀行と温暖化ガス排出削減に資する環境事業及びインフラ事業分野へのファイナンスに関わる協働を目的とする業務提携の覚書を締結したと発表した。
2012年12月に日本の環境省とモンゴルの自然環境観光省が締結した環境協力覚書により、日本の環境技術や製品を活用した温暖化ガス排出削減事業を推進における日本企業のビジネス機会の発掘および事業への金融面での支援を目指していくという。
国境を越える個人・企業の金融サービスが広がっていく中で、様々な国が抱えている課題および国民性や文化の違いなどから如何に新たな需要を見出し成長市場として日本の競争力と経済的基盤を創造していくことができるか、利用者視点に立った仮説と検証を繰り返し、飽くなきチャレンジ(地道な取り組み)を続けていくため、それを支える国家戦略に基づくファイナンスの仕組みや金融インフラ基盤が整備されていくことに期待したい。
◎【金融庁】我が国金融業の中長期的な在り方のワーキング・グループ資料
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