2015年11月11日(水)、オリバーワイマングループの部門で、金融IT分野の専門アドバイザリー・ファーム セレント(CELENT)は、帝国ホテルにおいて、セレント イノベーションフォーラム「ザ・パワー・オブ・フィンテック ブロックチェーン2.0とロボアドバイザー」を開催した。
フォーラムでは、ブロックチェーン2.0とロボアドバイザーを専門分野とするセレントのアナリストが来日し、最新グローバルトレンドの講演、業界内外のソートリーダーを交えたディスカッションを通して、共にフィンテックを解き明した。セレント シニア・バイス・プレジデント ニール・カタコフ, PhD 氏より「日本におけるフィンテック意識調査」が紹介され、フィンテックがもたらす影響の大きさと関心の高さが示された。セレント アカウントマネジャー 福盛 雄也氏が司会を務めた。
最初の講演「フィンテック:その本質とブロックチェーン2.0」では、Celent シニア・アナリスト ジョン・ドゥワイヤー氏が登壇。増加するフィンテック分野への投資額の背景に、従来のベンチャーキャピタルに加え、プライベートエクイティやヘッジファンド、企業や政府によるファンド、更にはアクセラレーターやエンジェル、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の存在を挙げた。また、フィンテックをめぐる重要テーマ、金融とテクノロジーの真の融合による市場機会、ブロックチェーンのキーとなるパーツと重要課題、今後の道筋などを披露した。
続いての講演「ロボアドバイザー:自動投資アドバイザーの最新トレンド」では、Celent シニア・アナリスト ウィリアム・トラウト氏が登壇。ウェルスマネジメントのトレンドを解説したほか、資産運用アドバイスの自動化の認知の高まりがウェルスマネジメント業界全体のスタンスに変化をもたらしているとした。また、大手資産運用会社によるロボアドバイザー企業の買収のほか、既存企業による新たなビジネスモデル・ツール・パートナーシップなど販売モデルの変化や、アドバイザー向けデジタルツールの登場など、ロボアドバイザーのポイントについて語った。
ネットワーキングブレークでは、コーヒーと焼き菓子が用意され、登壇者と来場者がくつろぎながら会話を楽しみ名刺交換が行われた。
パネルディスカッション「金融イノベーション:最先端の取り組みとその将来像」では、スピーカーとしてソフトバンク 常務執行役員 技術統括 副統括 兼 法人事業統括 副統括 佐藤 貞弘 氏、野村アセットマネジメント 常務執行役員 海外クライアント本部長 近藤 文樹 氏、三菱東京UFJ銀行 デジタルイノベーション推進部 プリンシパルアナリスト 柴田 誠 氏が登壇、ジョン・ドゥワイヤー氏とウィリアム・トラウト氏がコメンテーターを務め、セレント シニア・アナリスト 柳川 英一郎氏がモデレーターを務めた。
セレントは、マーシュ&マクレナンカンパニーズ傘下のオリバーワイマングループの一部門となるリサーチ&アドバイザリー・ファーム。銀行、証券、保険といった金融の分野でITを用いた先進事例や新たなビジネスモデルを調査し、経営戦略、IT戦略立案をサポートしているほか、金融機関やITベンダー等の会員を対象にリサーチレポートの発行や個別のコンサルティングサービスを提供している。
昨今のフィンテックへの注目の高まりとともに、世界各地に配置されたセレントのアナリストによる先進事例やベストプラクティスなど最新動向に注目していきたい。