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(VOL.285)カンボジア資本市場の夜明け、未開拓市場への挑戦
ウェブ管理者2011/09/21 10:27:26

<カンボジア資本市場の夜明け、未開拓市場への挑戦>
◎2011年9月21日(水)更新

2011年9月20日、SBIホールディングスは、カンボジアの最大手財閥であるロイヤルグループカンパニーと事業提携に関する覚書を締結し、カンボジア企業を主な投資対象とする投資ファンドを共同で設立、また、同国における証券事業強化のため、SBIプノンペン証券とロイヤルグループ社の証券事業子会社であるカンボジアン・キャピタル証券を2011年11月を目処に合併し、「SBIロイヤル証券」として総合証券業務を展開すると発表した。<SBIロイヤル証券の資本構成は、SBIホールディングス(71%)、ロイヤルグループ社関係者(29%)>

ロイヤルグループは主にカンボジアにおいて商業銀行や投資等の金融事業やメディア事業、移動体通信事業など幅広い領域を手がける同国最大手財閥グループで、設立するファンドは出資総額最大50百万米ドル(約38億円)、それぞれ25百万米ドルを出資する予定。

主な投資対象はロイヤルグループ社のネットワーク等を活用した幅広い業種のカンボジア現地企業を予定しており、今後、カンボジア証券取引所(準備中)への上場を目指しているロイヤルグループ社の関連事業会社数社を支援し、様々な協業を目指していくという。

なお、カンボジア証券取引所は、韓国取引所(KRX)のシステムと支援により設立準備を進めている。既に隣国のラオスでは2011年1月11日にラオス証券取引所が無事に産声を上げスタートしており、当初は2011年7月頃の開始を目指していたカンボジア証券取引所も早ければ年内にも取引が開始される見通しという。

また、韓国取引所(KRX)はウズベキスタンにおいても証券取引システムを提供する契約に基本合意しており、インターネット取引など近代的な株式市場環境の創出を目指している。

今後の成長成長が見込まれる東南アジア圏のみならず、国営企業の大型民営化を見越して中央アジア圏においても一歩先に布石を打つことで金融面での影響力を高めつつある。


世界的な証券市場の再編、施設取引システム(PTS)の台頭、瞬時に世界を駆け巡るシステムの高速化など、先進国における資本市場の仕組みとシステムの売り込み先としてアジアを中心とする新興国へと視線が向かっている。

未開拓の市場に出ることは大きなリスクを伴う一方、資本市場の発足と発展を創っていくという大きな役割を担い、現地の経済基盤に根ざして経済を育てるという長期的かつ戦略的な挑戦でもあり、今の挑戦が将来にどのような影響を与えていけるか今後の取り組みに注目していきたい。

-以上-


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【コラム筆者】 
藤野 宙志(ふじの ひろし) 株式会社グッドウェイ代表取締役社長

日刊コラム1995年慶應義塾大学理工学部卒業後、キヤノンマーケティングジャパンでシステム開発に4年間従事。
1999年SBI 証券で業界初の日米間オンライン証券取引システムの立上げを手がける。ナスダック・ジャパンでは日米印3カ国オフショア開発を担当、新興市場創出の調整役として証券業界を奔走。2002年シンプレクス・コンサルティングでセールス担当、FXシステムを多数導入。2010年6月より現職。金融サービス&ITソリューション総合情報プロバイダーとしてポータルサイトを運営。


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