<不測の事態への備え、資本政策とリスク管理>
◎2011年11月11日(金)更新
2011年11月10日、ISホールディングスは、大証JASDAQ市場に上場するひまわりホールディングスの第三者割当増資引き受け、ひまわりホールディングスに対する持株比率は62.97%となり、ISホールディングスの連結子会社となると発表した。
ISホールディングスはIT基盤総合金融事業を展開、グループ傘下にはFX事業を展開する外為オンラインの他、ライブスター証券(旧アイディーオー証券)、アイネット証券、アプリケーションサービスプロバイダー事業(SaaS事業)を展開するアイアンドエーエス、そして投資運用業および投資助言・代理業レオス・キャピタルワークスなどがある。
今回、連結子会社となるひまわりホールディングスの100%子会社であるひまわり証券は、2011年9月末時点でFX取引及びCFD取引の合計で取引口座数約20万口座、預り資産残高239億円と大手の1社、これまで東日本大震災後の株価指数先物・オプション取引顧客の決済損に対する不足金などに伴う経営基盤の再構築と経営合理化に取り組んでおり、今後はISホールディングスからの出資受入れおよび事業上の協働を通じて財務基盤の強化及び業績の改善を図っていくという。
2011年11月1日、MF Global FXA証券は、2011年11月1日付けにて監督官庁に対して営業休止の届出をすると発表した。
2011年10月31日、関東財務局は、親会社である米金融大手MFグローバル・ホールディングスの連邦破産法11条の提供の申請に伴い、資本・取引関係を踏まえ、資産が国外の関連会社等に流失し、債権者及び投資者の利益が害されるといった事態が生じないよう、万全を期するため、資産の国内保有命令および業務改善命令といった行政処分を行った。
東日本大震災後、欧州債務危機の深まりといった不測の事態への備えや対策が講じられているかどうか、サービスやシステムに加え、資本政策やリスク管理もますます重要なファクターとして一般投資家からの注目はさらに高まりそうだ。公開情報と合わせて健全性と実態の可視化を進めていくことで、利用者への安全性と安心感の根拠として訴求できる指標となっていくであろう。今後の取組みと動向に注目していきたい。
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