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(VOL.233)進化するデータベースサーバ、突発的な取引量への備え
サイト管理者2011/07/07 13:24:54

<進化するデータベースサーバ、突発的な取引量への備え>
◎2011年7月7日(木)更新


2011年7月6日、楽天証券と日本オラクルは、オラクルのデータベース・マシン「Oracle Exadata」を活用した楽天証券の新基幹データベースシステムの稼動を開始したと発表した。


楽天証券では、2005年に到来した個人投資家による投資ブームにともなう取引の急増時のシステム障害により金融庁から業務改善命令が出されたこともあり、基幹データベースの安定稼動を最優先課題とし、2010年3月に「Oracle Exadata」を活用した次期基幹データベースプロジェクトを発足、今回の全面刷新による効果として、注文処理が最大200%高速化、株価参照取引処理の時間が最大700%高速化、夜間バッチ処理が100分から60分に短縮化、従来のハイエンドサーバー6台の構成が「Oracle Exadata」2台となったことで電力消費量を43%削減したという。
なお、今回の導入プロジェクトは新日鉄ソリューションズが担当。


Oracle Exadata Database Machineとは、ソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーキング機能からなるパッケージ型のデータベース・マシン。従来は大量データの全件検索処理において、サーバーとストレージ間のデータ転送帯域でボトルネックが発生することで、パフォーマンスが著しく低下するなど大きな課題となっていたが、サーバーとストレージ間の通信において超高速な転送帯域を確保し、検索処理の一部を必要な列と行のみを抽出することでデータ転送量を大幅に削減、さらに最新フラッシュメモリを標準搭載することでディスクアクセスを大幅に削減しているという。
また、Oracle Exadata Database Machineの中核をなすOracle Exadata Storage Serverは、超並列処理アーキテクチャを採用してデータベース・サーバーとストレージの間のデータ帯域を大幅に拡大しているという。


震災後にも見られた突発的な市場の変動により、取引量が数倍に跳ね上がる事態を想定し、いかに柔軟に素早く対応できるか、技術の進歩と共に常に先を見据えたビジネスプランの策定とシステムの拡張性を確保できるかどうかが今後のカギを握っている。


-以上-


 


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【コラム筆者】 
藤野 宙志(ふじの ひろし) 株式会社グッドウェイ代表取締役社長

日刊コラム1995年慶應義塾大学理工学部卒業後、キヤノンマーケティングジャパンでシステム開発に4年間従事。
1999年SBI 証券で業界初の日米間オンライン証券取引システムの立上げを手がける。ナスダック・ジャパンでは日米印3カ国オフショア開発を担当、新興市場創出の調整役として証券業界を奔走。2002年シンプレクス・コンサルティングでセールス担当、FXシステムを多数導入。2010年6月より現職。金融サービス&ITソリューション総合情報プロバイダーとしてポータルサイトを運営。


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