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(VOL.121)決済利益の成果報酬、自動売買と投資助言スキーム
サイト管理者2011/01/24 05:31:59

<決済利益の成果報酬、自動売買と投資助言スキーム>


2011年1月20日、FXトレーディングシステムズは取引所外国為替証拠金取引「FXブロードネット365」(くりっく365)のサービスを2011年2月1日から開始すると発表した。


口座のタイプは、スタンダードコース(売買手数料は1ロットあたり片道150円)、シストレ365コース(売買手数料は0円、ただし投資助言料として決済利益の20%)の2コースを用意する。


シストレ365コースで提供される自動売買システム「シストレ365」は、プログラミングなど特に専門知識を必要とせずに、あらかじめ用意(自動売買設定売買タイミング:46種類、フィルター条件:28種類)された売買タイミング(テクニカル)を選択し組み合わせることで自動売買の設定ができる設計となっており、また、設定したアルゴリズムを検証するためのシミュレーションもシステムで保持している過去データを使ってボタン一つで可能という。


今回注目される点は、自動売買システム「シストレ365」の利用料の課金スキームとして成果報酬型を採用している点。


自動売買システムのアプリケーション利用料(初期、月額)および売買手数料は0円だが、投資助言料として決済毎に利益額に応じて成果報酬を支払う仕組みになっており、決済利益が発生した場合は決済利益額の20%(最低でも150円の投資助言料が発生)、決済利益が0もしくはマイナスの場合は発生しないという。


当コースの利用には、通常の取引所外国為替証拠金取引の口座開設手続きに加え、投資助言の契約も同時に締結する必要があるが、サービスはあくまでも「シストレ365」の操作説明等のサポートまでとなり、システムトレードのアルゴリズムの助言や相場予測等の助言は行わない。


厳しい売買手数料競争が続く中、投資助言料として決済利益が出たときのみに成果報酬を得るという顧客の利益とリンクするFXのサービス提供モデルは斬新で目新しい体系であり、差別化サービスとして今後の注目と話題を集めそうだ。


一方で決済利益が大きくなると成果報酬額は一般の固定型の売買手数料に比べて大きくなる場合もあるが、逆の場合はサービス提供業者自身が全コストを負担することとなり、当サービスの事業収益はユーザーの売買パフォーマンスに完全にゆだねられることになる。


業界初となる成果報酬型「シストレ365」が生み出す価値とパフォーマンスの結果、また、それを支持するユーザー層の取り込みと囲い込みの行方、競合他社の動向から目が離せない。


-以上-


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【コラム筆者】 
藤野 宙志(ふじの ひろし) 株式会社グッドウェイ代表取締役社長

日刊コラム1995年慶應義塾大学理工学部卒業後、キヤノンマーケティングジャパンでシステム開発に4年間従事。
1999年SBI 証券で業界初の日米間オンライン証券取引システムの立上げを手がける。ナスダック・ジャパンでは日米印3カ国オフショア開発を担当、新興市場創出の調整役として証券業界を奔走。2002年シンプレクス・コンサルティングでセールス担当、FXシステムを多数導入。2010年6月より現職。金融サービス&ITソリューション総合情報プロバイダーとしてポータルサイトを運営。


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