このコンテストは、「さあ、ともに世界を変えていこう」というメッセージを込め、自社技術だけにとらわれずに多くの人達と技術やビジネスをアライアンスすることで更に大きなビジネスモデルを構築するという考えで、ベンチャー企業・大手企業・NTTデータ三者のWIN-WIN-WINを目的としたイノベーションの創発を目指し開催されている。
開演冒頭、「豊洲の港から」のNTTデータ イノベーション推進部 オープンイノベーション事業創発室 室長 残間 光太朗氏(写真右上)より、来場者や関係者へのお礼の言葉と共にコンテストの概要について説明。続いて、名古屋大学 教授 山本 修一郎氏より開会の挨拶が述べられ、この場からオープンイノベーションの成功事例が出ることを期待してるとして挨拶を締めた。
本選の前半では、以下の5チームによるプレゼンテーションが行われた。
1.「Secualの汎用人工知能を活用した、製造業における故障予知ソリューション」
2.「位置情報等のセンサ情報を収集するIoT GWシステム」
3. 「量子力学事象に基づく多機能デバイスによるIoTのイノベーション」
(クァンタリオン 代表取締役CEO 根岸 邦彦氏 / クァンタリオン 取締役CTO 露崎 典平氏)(中段左、中)
4. 「Private Virtual Concierge for Finance(PVCF)」
5. 「ロボット×ビックデータで社会インフラを守る!」
休憩を挟み、後半では、以下の5チームによるプレゼンテーションが行われた。
6. 「iBeaconの相互シェアプラットフォーム事業 Beacon Bank」
(unerry 代表取締役CEO 内山 英俊氏)(写真上段左)
7.「SmartCoinによる地方創生プロジェクト」
(Orb Co-Founder, CEO 中津 正朗氏)(上段中)
8.「パーソナル人工知能SENSYとCAFISによるO2Oプラットフォーム」
9.「爆買!フォローシステム」
(NTTデータ 課長代理 欧陽 慧氏 / ティーアンドエス 代表取締役 稲葉 孝政氏 /
ティーアンドエス 取締役 部長 芝 博樹氏 / 遊蜜 CEO, Co-Founder 金 賢敏氏)(中段左)
10.「Gamifying payment platforms」
(Playbasis Founder and CEO Robert Zepeda氏)(中段中)
全てのプレゼンテーション終了後、別室にて審査が行われる。その間コンファレンスルームでは特別講演として東京大学院 医学系研究科 音声病態分析学講座 特任講師 光吉 俊二氏による「イノベーションの起こし方 ~『音声病態分析学』で、声なき声、涙なき涙を理解し、人を笑顔にする~」が行われた。
声からその人の心理状態などを分析し病気の状態を判断するという分野の第一人者であり、これまでの経緯やこれからの展望などをユーモアを交えつつ、参加者にわかりやすく説明した。
そして結果発表。残念ながら今回は最優秀賞は無かったものの、優秀賞を2組、奨励賞を4組が受賞した。奨励賞の4組はSecual、エヌジェーケー/三信電気、NTTデータ、Playbasis。
優秀賞はunerry「iBeaconの相互シェアプラットフォーム事業 Beacon Bank」とイクシスリサーチ「ロボット×ビックデータで社会インフラを守る!」の2組が受賞した。
unerry 代表取締役CEO 内山 英俊氏
「Beacon自体は新しい技術ではない。ただその見方を少し変えるだけでそれが新しいビジネスになるのではというのが元々の発想だった。NTTデータを始め、本日ここに集まった方々と是非新しいビジネスを作り上げていきたい。」
イクシスリサーチ 代表取締役 山崎 文敬氏
「ロボットとビックデータの上手な活用は、これからの日本に役に立つことを確信していた。是非皆さまと新しいビジネスを作り上げていきたい。」
授賞式後は審査員から総評が述べられ、その後別室にて懇親会が開催された。今回出場した10組だけでなく、来場者も新たなビジネスの創発に向け、閉会まで話しが止むことはなかった。 昨年一年間はイノベーション元年とも言えるほどイノベーションやFinTechという言葉が業界に広がった一年間となった。こうしたなか、2016年は具体的にイノベーションをどのようにビジネスに結び付けていくかが試される1年といえる。オープンイノベーションビジネスコンテストという取組を通じて、イノベーション実現の流れが益々加速されることを願ってやまない。(取材、撮影、記事、編集・制作 : 佐藤 裕規 @株式会社グッドウェイ )