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2014/12/22

【NTTデータ】りそなグループ「新情報系システム」をオープン基盤で稼動~情報系システムをメインフレームからオープンシステムへ全面刷新~

| by:ウェブ管理者
株式会社りそなホールディングス、株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社近畿大阪銀行(以下:りそなグループ)の「新情報系システム」が2014年11月17日より全機能のリリースを開始しました。

りそなグループの「新情報系システム」は、株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)およびNTTデータソフィア株式会社(以下:NTTデータソフィア)が、りそなグループに向けた「システム開発・運用業務に関するアウトソーシング」(以下:ITアウトソーシング)のプロジェクトのもとシステム構築を担当し、2014年8月から旧システムと並行稼働をしていました。

今回、銀行業務の効率化やシステム運用にかかるコスト削減等の観点において、本システムの有用性が認められたため、新システムへの移行を実施し、11月17日より全面稼働を開始しています。

「新情報系システム」は、メインフレームで構築されていた旧情報系システムをオープン系基盤へ移行したことで、IT資産のスリム化を実現しており、システム保守性の向上や更改にかかるコスト削減のほか、新商品サービスの追加・変更への早期対応、社員の業務効率化・高度化に寄与しています。

背景
りそなグループの旧情報系システムは、約25年間にわたりメインフレーム注1上で稼働し、銀行業務の拡大とともに増加する業務ニーズを取り込み、進化を続けてきました。しかしながら、複雑化する銀行業務に対し、利用度の低い業務アプリケーション等、古いIT資産の残存や、データ活用のための情報提供手段が標準化されていないといったシステム面における非効率性が課題として顕在化していました。

NTTデータとNTTデータソフィアは、りそなグループに向けて2004年よりITアウトソーシングサービスを提供し、りそなグループ全体のビジネス拡大にIT戦略の側面から貢献してきました。そして、情報系システムに関する課題を解決するため、既存の情報系システムを、情報活用インフラ強化やさらなるローコスト運営推進の観点から全面的に見直しをはかり、戦略性の高い「新情報系システム」として再構築するプロジェクトを2013年4月から開始しました。そして、2014年8月より「新情報系システム」と旧システムの並行稼働が開始され、情報活用インフラ強化やさらなるローコスト運営推進の点が評価されたため、このたびの全面稼動に至りました。

「新情報系システム」構築にあたっては、NTTデータのオープン系技術およびマイグレーション技術や、NTTデータソフィアがこれまで培ってきた銀行業務やバンキングシステムにおける知見を積極的に活用し、円滑なプロジェクト運営やユーザーの業務移行の推進など、NTTデータグループの総合力を結集し、約1年半という短期間で高難度のプロジェクトを完遂しています。

システムの概要および変更点
「新情報系システム」は、革新性の高いIT技術や先駆的な取り組みを積極的に採用した高度かつ戦略性の高いシステムとして、りそなグループの経営戦略、経営改革の骨子の1つである「ローコストオペレーション」を推進し、既存システムとの比較においてシステムトータルコストの削減を実現しています。なお「新情報系システム」を利用したりそなグループ社員に対するアンケートにおいて、ほとんどの社員から、レスポンスの向上、データ加工の利便性・容易性の向上などの点で高評価を獲得しています。

1.メインフレームからオープン系基盤注2への移行
メインフレームから、Linux・IAサーバーなどのオープン系基盤に移行し、データベースにはマイクロソフト社のSQLサーバーを、ストレージにはSSD製品を採用することで、今後の技術動向を見据えた先駆的なシステムとなっています。

また、メインフレームとオープン基盤のジョブやデータをシームレスに連動させるために、JP1やHULFTといった製品を活用しているほか、文字コード変換製品にHULFT-DataMagicを採用することで、文字コードのシームレスな変換も可能にしています。

2.マイグレーション技術注3の適用
株式会社CIJ社と連携してマイグレーション技術を適用し、PL/1プログラムやJCL言語により構築されたIT資産をオープンCOBOLプログラム、Shellへ移行することで短期間でのシステム構築を実現しました。

3.データハブ基盤の確立
新商品・新サービスの導入など、銀行業務の拡大とともに必要となる各種情報を、容易に情報系システムに取り込み、他システムの業務に活用できるよう、データを統合した「データハブ基盤」を構築しました。これにより、今後新たな業務に対応するための機能追加や他システムへ新たな情報提供・連携が必要となった際でも、システム開発期間の短縮や開発コストの削減が可能となります。また、データハブ基盤は、データ提供機能の強化として、DB形式だけでなく、ファイル形式でのデータ提供も可能としています。

4.業務アプリケーション注4等IT資産の最適化
複雑化した各種業務アプリケーションの利用状況を分析し、既存の業務アプリケーションの約5割を廃止・統廃合するなど最適化を実行しました。これにより、銀行業務の効率化および高度化が実現されることで社員による情報活用が一層進み、システムコストの削減のみならず、銀行業務そのものの生産性向上による「ローコストオペレーション」を実現しています。

今後について
情報活用インフラの強化とさらなるローコスト運営の促進に向け、一層の機能拡充やソリューションの提供を継続するとともに、りそなグループ全体のサービス向上にITの側面から貢献するために、ITアウトソーシングサービスのより一層のレベルアップを図っていきます。
また、NTTデータでは、今後とも多様化する金融機関のニーズに対して、より的確に応えるソリューション、サービスの提供に取り組んでいきます。

注釈
注1メインフレームとは、汎用機とも呼ばれる大型のコンピューターシステムのことです。旧システムではIBM製品を採用しています。

注2オープン系基盤とは、さまざまなメーカーのソフトウエア、ハードウエア製品を組み合わせて構築しているシステムをオープン系システムと呼び、そのシステムが動作するための基盤を表しています。

注3マイグレーション技術とは、プログラムやデータなどの動作する環境やプラットフォームを移行、変換するための技術で、今回のプロジェクトではメインフレーム環境からオープン系システム環境への移行を実現しています。

注4業務APとは、各種銀行業務を実行するソフトウエア群の総称です。さまざまなデータの集計、編集、表示、照会などを実行します。


原文はこちら
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2014/2014122201.html

17:01 | IT:一般
 

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