2014年9月19日(金)、ACCA(アジアクラウドコンピューティング協会)はディメンションデータと共に、ヒルトン東京(菊苑の間)において、クラウド運用をリードするエバンジェリストを招き「ACCAクラウドフォーラム」を開催した。会場には多数の参加者が訪れ、パネルディスカッションやビュッフェランチによる懇親会を通じて、クラウドに関する最新動向や課題について意見情報交換が行われた。
冒頭に、ディメンションデータジャパン 代表取締役 望月 弘一 氏より、ACCAのボードメンバーの1社として挨拶。クラウド市場の成長を加速し、クラウドコンピューティングの促進と標準プラットフォーム化を志向する組織として2010年9月に設立されたACCAの趣意やワーキンググループの活動のほか、今後のクラウド市場の成長見通しや利用シーンの動向、ディメンションデータジャパンの取組みについて解説した。
最初のパネルディスカッション「Cloud Readiness in Asia Pacific」(英語セッション 同時通訳あり)では、Lim May-Ann 氏(Executive Director Asia Cloud Computing Association)、Bernie Trudel 氏(Cloud CTO APAC Cisco and Chairman of the Asia Cloud Computing Association)、Rohan Cook 氏(Senior Director, Service Provider & Cloud Business APJC EMC Corporation)の3名のスピーカーが登壇、Andy Cocks 氏(Chief Technology Officer (Asia Pacific) Dimension Data)がモデレーターを務めた。
パネルの中では、アジア14カ国におけるクラウドに関する10項目についてACCAが調査・評価したランキング(ACCA's Cloud Readiness Index 2014)を発表、日本がトップとなった背景や、訪れたばかりの韓国における最新動向など、規制、導入事例、調査結果に対する解説が行われた。ACCAは各国のローカルプレイヤーのみならずグローバルなサプライチェーンとしてクラウド関連のビジネス機会と最新情報を共有するプラットフォームの提供によるエコシステムの形成を目指すべく、メンバー企業を募集している。
続くパネルディスカッション「日本におけるクラウドコンピューティングの動向について」では、神原 豊彦 氏(ネットアップ 技術本部 ソリューションSE部 コンサルティング システムズエンジニア)、中西 崇文 氏(国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター 博士(工学)主任研究員 准教授)、入江 宏志 氏(ディメンションデータジャパン シニアEAコンサルタント)の3名のスピーカーが登壇、八子 知礼 氏(シスコシステムズ合同会社 シスココンサルティングサービス シニアパートナー)がモデレーターを務めた。
パネルでは、クラウドビジネスを成長させるモノはなにか、ホワイトスペースとして考えられる領域、技術の利用増加への障壁などについて意見が述べられた。その中で、クラウドを取り巻くキーワードとして、グローバリゼーション、イノベーション、ダイバーシティを挙げ、デマンドドリブンからイベントドリブン、そしてエモーショナルドリブンへと変化していくと予測。これからは、サービスの利活用の観点から技術とビジネスをつなぐコミュニケーション能力や想像力がさらに重要になるとした。
現在、ボードメンバーやメンバーで構成・運営されているACCA。今後、アジア太平洋地域各国での活動の輪が広がり、定期的に開催しているワーキンググループ活動を通じて幅広くクラウドの課題やリスクが整理されることにより、安心・安全で身近な利用環境への一層の整備が進んでいくことに期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作:藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ)