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2019/07/22

サイネックス Research Memo(6):『わが街事典』は再版需要による成長継続が期待される

| by:ウェブ管理者
*15:16JST サイネックス Research Memo(6):『わが街事典』は再版需要による成長継続が期待される
■サイネックス<2376>の中長期の成長戦略と進捗状況

2. 出版事業の成長戦略と進捗状況
(1) 事業の構造
出版事業の内容は大きく3つに分けることができる。1つは地方自治体との共同発行する行政情報誌『わが街事典』(出版物の名称としては「○○市便利帳」等となることも多い)の事業だ。2つ目は地域別に発行される50音別電話帳『テレパル50』の事業だ。3つ目は『わが街事典』の派生商品とも言えるジャンル別・テーマ別情報誌などの出版物だ。収益の構成としては『わが街事典』と『テレパル50』とでセグメントの収益の大半をほぼ二分し、3)の派生商品型出版物の収益がわずかにオンされている構図だと弊社では考えている。しかしながら3)については今後徐々にその比重を高め、成長戦略上、重要な役割を果たすとみている。

一方、収益変動という視点では、『わが街事典』のインパクトが大きい。それに対して『テレパル50』は収益のベースを形成し、派生商品型出版物は隙間を埋めるという役割で、収益変動の前面にはあまり出てこない構図となっている。この違いは事業モデルの違いから来ている。『わが街事典』は自治体との共同発行物であるため、作業の進行や発行のスケジュール、タイミングを同社が管理しきれない部分がある。これが期ずれ(そのほとんどは後ずれ)を引き起こし、収益の計画差へとつながる。一方『テレパル50』は同社独自の出版物であり、発行地域やタイミングはすべて同社が管理できる。同社は年間1,000万部を発行するという大枠を基本方針として有しており、その中で『わが街事典』の進行状況や工場の稼働状況を見ながら『テレパル50』の発行作業を進め収益のベースを作っている。派生商品型出版物は自治体との共同作業ではあるが全体のプロセスが『わが街事典』に比べてずっと短いため『テレパル50』と同様の自由度があり、収益の特性も『テレパル50』に近似しているとみられる。

(2) 成長戦略と進捗状況
出版事業における成長戦略は、以上のような収益構造を反映して、『テレパル50』で収益のベースを形成し、その上に『わが街事典』と派生商品型出版物とで収益拡大を図るという構図となっている。

その『わが街事典』は共同発行自治体数の数が順調に増加しており、2019年3月末には累計で876となった。全国の地方自治体(市町村及び東京23区)の数は1,741(2018年10月現在)であり、理論的にはそのすべてが協働事業の対象となるが、広告主となる事業者数などがボトルネックとなるため、弊社では市区部と一定規模の人口を有する町村を合わせた1,000自治体が現実的な主要なターゲットと推測している。この見方は従来から変わっていない。

その意味では、共同発行の自治体が上限に近づいているが、これが『わが街事典』の成長ストップを意味するわけではない。既発行自治体において再版需要があるためだ。現時点でも年間の発行自治体のうちの50%~60%が再版となっている。今後はこの割合が高まることになるが、同社のビジネスとしては新規発行と再版に差は無い。

一般に、再版のサイクルは3年~5年となっている。2019年3月末時点の876自治体が平均4年サイクルで再版を行えば1年当たりの発行数は2019年3月期の218件を上回ることになる。同社が安定的に収益を稼ぐベースは十分積み上がっていると言えるだろう。

なお、1,000自治体を超える市町村についても、地域にあった便利帳等のサービスを開発している。

『わが街事典』のあり方については、同社自身も毎年着実に進化させてきている。目下はユニバーサルデザイン(図示化、高齢者対応など)やWeb連動がテーマだ。今後は外国人労働者の増加に伴い多言語対応などもテーマとして重要度を増してくるだろう。こうした取り組みは、『わが街事典』の広告価値の向上につながり、広告収入の増加やスムーズな広告獲得による生産性向上、そして、それによる収益性向上などの効果が期待される。

「ゴミ出しハンドブック」や「子育て便利帳」といった ジャンル別・テーマ別の行政情報誌は、『わが街事典』の派生商品と言えるが、この出版も順調だ。子育てガイドやゴミ出し以外にも防災・危機管理や健康・医療、地域PRなど、テーマが幅広くて潜在的市場が大きいことが好調の理由として挙げられる。また、これら派生用品は、Web連動を進めるなかで、テーマが限定的なこともありアプリ開発との親和性が高いという特長がある。この点は収益ポテンシャルの1つとして考えることができ、今後の展開・進捗が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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