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2018/05/07

【生活設計塾クルー】「iDeCo」と「つみたてNISA」、積立投資を支援する制度が整ってきました。まずは1銘柄、勉強がてら積立投資を始めましょう! 生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵さんに聞く(ネット証券4社共同プロジェクト)

| by:ウェブ管理者


■積立投資の支援制度が整って、変わりつつある個人の意識


 2017年に「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の対象が大幅に拡大し、2018年から「つみたてNISA(積立専用の少額投資非課税制度)」もスタートしました。積立投資を支援する制度が整ってきたことで、個人の意識は、大きく変わったとまでは言えませんが、少しずつ変わりつつあると感じています。

 振り返ると、「iDeCo」の対象拡大や「つみたてNISA」の前には、2014年の「NISA(少額投資非課税制度)」の導入もありました。ただ、現行「NISA」は120万円まで(2014~15年は年間100万円まで)と年間の非課税投資枠が大きく、もちろん「NISA」を積立投資に使っても構いませんし、年間の非課税枠を全部使い切る必要もありませんが、「お金を持っている人向けの制度」と感じた人も多かったようです。

 また、現行の「NISA」は非課税期間が原則5年、繰り越しても10年間と短いことも、「終わった後はどうするのか」という不安につながったのかもしれません。さらに、2012年12月からのアベノミクスで、「NISA」がスタートした2014年当時は株価が大きく上昇しているタイミングでした。「今から100万円も投資して下がったらどうしよう」と、二の足を踏む人も少なくはなかったと思います。

 一方、2017年の制度拡充でほとんどの人が利用できるようになった「iDeCo」は、積立での利用が基本です(2018年からは年単位での掛金拠出も可能になりました)。しかも、掛金が全額所得控除という“皆さんの好きな”入口での節税メリットもあります。「iDeCo(イデコ)」というニックネームが付いて、あちこちで目に触れる機会も多くなったことから、この1年間で「iDeCoで積立をやってみたい」という人は大きく増えたと思います。余談ですが、やっぱりニックネームを付けて浸透させるというのは大切ですね(笑)。

●直近1年の「iDeCo」の加入者数の変化
  出典:iDeCo公式サイト

 そして、今年1月から始まった「つみたてNISA」。現行「NISA」の「積立版」です。年間の投資限度額は40万円と「NISA」に比べて3分の1ですが、非課税投資期間は20年と現行NISAより長くなっています。また、NISAと同様に投資で得た利益には税金がかかりません。投資金額の上限は月にならすと約3万3333円ですが、逆に金額が少ないからこそ「これくらいなら始められそう」と思う人が増えているのではないでしょうか。

■若年層と40~50代、世代によっても投資に対する意識は異なる


 現役世代に限って話をすると、20~30代の若年層と40~50代でもそもそも投資に対する意識にはかなり差があると思います。

 20~30代の方々の場合は、上の世代に比べると「投資」や「資産運用」という言葉に馴染みがあります。投資を「社会人になったら、いつかはたしなむもの」ととらえている人が多い。また、今の若い世代は年金制度への不安があって、「将来のお金を自分で貯めないといけない」という危機感が強い人も多いと思います。

 一方の40~50代は、子供の教育費や住宅ローンなど出費が非常にかさむ世代で、かつフルで共働きしている世帯はまだ少ないため、なかなか投資にまで回すお金がないというのが現実です。また、20~30代と比べてこれまで投資自体に馴染みがないままに来てしまったので、気持ちの面でも投資に付いていけていない人が多いのです。

 ただ、「iDeCo」と「つみたてNISA」という節税メリットが高く、少額から投資ができる積立制度が出揃ったことで、どちらの世代にとってもこれまでよりは投資のハードルが下がったということは確実に言えるでしょう。

■ライフイベントにかかるお金は、投資には回さないこと

 ここからは、実際に「iDeCo」や「つみたてNISA」を使って資産形成をしていこうというときに注意して欲しい点をいくつか説明したいと思います。最も大事なことは、大きなライフイベントのお金まで積立投資に回さないということです。

 20代前半の社会に出たばかりの方はなかなか気づきにくいのですが、20~40代にかけてはライフイベントが目白押しです。引っ越し、転職、結婚資金、住宅購入費用、さらには子供の教育費まで、内容は人によって異なりますがさまざまなライフイベントがあり、それぞれ資金の準備が必要になります。これらのお金は、「iDeCo」や「つみたてNISA」のための資金とは分けて貯めるようにしてください。

 なぜなら、「iDeCo」は拠出したお金を60歳まで引き出すことができないからです。また、「つみたてNISA」はいつでも資金を引き出せますが、短期で売却しては積立の意味がありませんし、売却するときに都合よく増えている保証もありません。

 そこで、ライフイベントに備えるお金は、積立投資の資金とは別に貯めて、勤務する会社に財形制度があれば財形、そうでなければ銀行の積立定期などで分別管理することをおすすめします。

 また、今まさに住宅ローンや子供の教育費などライフイベントにかかるお金の捻出が大変で、「iDeCo」や「つみたてNISA」にまでお金が回らないという方は、積立投資の前にまず支出の見直しから始めましょう。見直すポイントはいくつもありますが、たとえば通信費。大手キャリアのスマートフォンから格安スマホに乗り換えたり、料金プランを見直すだけでも効果が見込めます。

■「積立投資はほったらかしでOK」を勘違いしないこと

 ところで、「積立投資はほったらかしで構わない」とよく言われますが、この意味を間違ってとらえている人がいるので少し説明しておきましょう。一度積立を始めたら、相場環境に左右されずにコツコツと続ける、という意味では確かにほったらかしで構いません。しかし、値動きを確認することもメンテナンスをすることもなくただ積み立てているだけで、いざお金を引き出すときに都合よく増えていたとしても、それはただの偶然です。

 そこで、投資初心者におすすめしたいのは、「iDeCo」でも「つみたてNISA」でも構わないので、まずは日本株に連動するインデックス型投信を1本買っておいて、その値動きを日々確認することです。なぜ上がったのか、下がったときにはどんなニュースが出たのかなど、値動きを体感しながら「勉強」をすると、この先商品を選んだり売却のタイミングを考えたりというときに適切な行動が取れるようになると思います。

 では、「練習」と考えたときには、積立額はいくらぐらいが適切でしょうか。「iDeCo」は最低月5000円から、また「つみたてNISA」なら金融機関によっては月100円から積立が可能です。とは言え、あまりにも少額というのはおすすめしません。

 なぜなら、増えるにせよ減るにせよ、投資は喜びと悲しみが感じられる金額で行わなければ意味がないと考えるからです。また「iDeCo」の場合は、口座管理手数料として最低でも毎月167円がかかります。そのため、拠出する金額が少なすぎると手数料負けしてしまう可能性もあります。そこで、「つみたてNISA」なら最低5000円、管理手数料のかかる「iDeCo」は月1万円くらいから始めるとよいでしょう。なお、「iDeCo」では金融機関によって口座管理手数料が異なりますので、手数料の安い金融機関を選ぶことも大切です。

■「iDeCo」と「つみたてNISA」の優先度は人によって異なる


 「iDeCo」や「つみたてNISA」を使って資産形成をしていこうというときに迷うのが、どちらを優先させればよいのかということではないでしょうか。実際、「自分にはどちらが向いているのか?」と質問されることがよくあります。資金に余裕があれば両方を利用しても構いませんが、そうでなければまずはどちらかを選びたいと考えるのは当然と言えるかもしれません。

 「iDeCo」と「つみたてNISA」に共通しているメリットとしては、「運用益の非課税」が挙げられます。さらに「iDeCo」の場合は、掛金が全額所得控除になり、その年の所得税と翌年の住民税が安くなるメリットと、受取時にも人によって「退職所得控除」や「公的年金等控除」によって税負担が軽くなるというメリットがあります。

 ただし、すでに述べたとおり「iDeCo」は60歳まで現金を引き出すことはできません。一方の「つみたてNISA」は、いつでも好きなときに現金を引き出すことが可能で、自由度は「iDeCo」より高くなっています。投資対象の商品や掛金の上限、投資期間など両制度の違いはさまざまありますが、主に税制メリットに注目した上で、立場と年齢から「どちらが向いているのか」をまとめてみました。

●「iDeCo」「つみたてNISA」のどちらが向いているか
 補足すると、今は専業主婦であってもいずれ働いて「iDeCo」を利用したいと考えるなら、所得控除のメリットはありませんが加入期間を確保する意味で今から「iDeCo」を始めてもよいでしょう。また、フリーランスや自営業の方は、「iDeCo」だけでは老後資金が心もとないので、「小規模企業共済」という自営業者のための退職金作り制度も併せて利用することをおすすめします。

 勘違いして欲しくないのは、すべての立場・年齢でもどちらを利用するかは個人の自由ということです。表はあくまで目安で、たとえば立場・年齢からは「iDeCo」向きという人でも、性格が非常にずぼらという場合は、「つみたてNISA」のほうが向いているかもしれません。理由は、「iDeCo」では手数料の安い金融機関や金融商品を選んだリといった手間がかかるためです。「つみたてNISA」であれば口座を保有していても手数料はかからず、また対象商品が金融庁が定める「手数料の安い商品」に限定されているので、そこまで細かく調べなくても問題はありません。

■「分散投資」や「長期投資」の意味も正しく理解して欲しい

 積立投資について投資初心者で勘違いしている人が多いポイントを、あと2つ挙げておきましょう。

 一つは「分散投資」です。分散投資は、値動きの異なる資産を組み合わせることによって、値下がりリスクを低減することが主な狙いです。典型的な例が「株式」と「債券」で、一般的には株が下がるときには債券価格が上がるので、相場の大きな下落局面では下げを和らげる効果があります。逆に言うと、同じような値動きのものばかり買っても、分散の意味はありません。

 しかし、「分散すれば分散するだけいい」と思ってしまっている人もいるようです。たとえば、「iDeCo」を利用する際に、選べる商品のすべてにチェックを入れてしまう人がいますが、これは大間違いです! 日本株のインデックス型投信ばかり何本も買っても分散の意味はまったくありません。

 もう一つは、「長期投資」に対する誤解です。一般的に積立投資は長期のスタンスで行うことで、値動きのブレを抑えることが可能になります。そのため、積立投資=長期投資と思っている人は多いようです。もちろん、「つみたてNISA」で月々の積み立てが負担なく行えるのであれば、非課税期間の20年間そのまま積み立てを継続すればよいと思います。

 しかし、積み立てている途中でどうしてもお金が必要になったり、あるいはかなりの利益が出ていたりというときには、20年を待たず売却して利益を確定しても何の問題もありません。しかし、「長期投資が大事だから、売ってはいけない」という「長期投資呪縛」にとらわれている人が結構多くいるようです。

 確かに、積立投資をしているのに1年程度で売ってしまっては積立の意味がありませんが、必要なときや大きな儲けが出れば自由に売却しても構わないのです。「長期投資」は、「長期間売ってはいけない」ではなく、「長期のスタンスを基本に投資をしましょう」という意味だと覚えておいてください。

 せっかく「iDeCo」「つみたてNISA」という投資の支援制度が整ってきたのですから、これまで投資は未経験という人は、まずは月1万円でいいので、この機会にぜひ投資を始めてみましょう。


深田晶恵(ふかた・あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、生活情報設計塾クルー取締役。

1967年生まれ。外資系電機メーカー勤務を経て96年にFPに転身。金融商品、保険商品を販売しない独立系FP会社「生活設計塾クルー」で個人向けのコンサルティングを行うほか、講演活動、新聞・雑誌等でマネーコラムを執筆中。近著は『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』(ダイヤモンド社)。


(取材・記事:肥後 紀子 / 撮影:柴田 潔 / 編集・制作:グッドウェイメディアプロモーション事業部)

(オリジナル記事掲載元:ネット証券4社共同プログラム「資産倍増プロジェクト」ネットで投信を買う!





14:23 | 写真:投資家向け




 

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