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2018/09/13

【日本銀行】第6回 FinTech(フィンテック)フォーラム(8月3日)のプレゼンテーションの様子等を追加掲載しました

| by:ウェブ管理者
FinTechセンターでは、8月3日、「第6回FinTechフォーラム~チャットボットの進化と金融ビジネスへの活用~」を開催しました。

第1部では、金融機関3社より、チャットボットの顧客向けサービスや社内業務への導入事例が紹介されました。保険分野では、SNSチャットツールを通じた顧客への商品提案や保険料見積りの自動化によって、問い合わせの心理的ハードルを引き下げたほか、サービス時間が夜間など顧客都合に合わせて大きく拡張可能となり、また相談や回答の記録も残せるなど、顧客満足度が改善され、見積もりに至った件数も増加した事例が紹介されました。別の保険会社からは保険金査定業務への活用によって、高度な専門知識を要する査定業務の効率性の向上や、支払所要日数の短縮などサービスの質向上、人材育成や働き方改革への貢献など、多面的な効果を目指している旨報告されました。

第2部では、チャットボットを開発・提供しているIT企業2社より、自然言語処理技術などチャットボットを支えているIT技術や、学習を通じて回答精度を向上させていくための運用上のポイントが説明されました。技術面では、意図理解の方法論や質問や言葉の曖昧さに対応する手法に加え、質問者のニーズや意図を自然な形で絞り込んでいくための対話フロー構築の重要性が指摘されました。運用上の留意点としては、チャットボット準備段階の学習だけでなく、導入後に蓄積される実例を活用した継続的な学習が必須であることが強調されました。このほか、回答精度を評価する際には、チャットボットの回答対象を意識し、正答が必要とされる質問の回答精度を上げる一方で、情報不足や曖昧さゆえに回答できないことには正しく回答しないことを目指すこと、また、現在の回答対象ではないがサービスの質向上には取り込んでいったほうが望ましいものに適応していくという広い目線が大切なことが指摘されました。

第3部のパネルディスカッションでは、チャットボット導入時の苦労や、課題の克服に必要なポイントが紹介されました。社内での利用を促すために、技術に理解のある人材を中心とした小規模グループを対象に導入し、チャットボットの利点を実感してもらうことで普及を図ったことや、照会窓口の電話回線を減らすなどして強制的にチャットボット利用に誘導し、慣れてもらうといった体験談が紹介されました。また、チャットボットの活用が馴染みやすい分野を適切に見極め、ユーザーに利便性を実感してもらうことが更なる普及につながったとの指摘がありました。経営的な視点からは、費用対効果がはっきり確認される局面には至っていないサービスが少なくないが、経営陣のチャットボットへの期待は大きく、今後も、対象の拡大や質の改善に向けた取り組みを続けていくという方針であることが紹介されました。


原文はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release/180913.htm

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