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2014/09/22

【日本金融監査協会(IFRA)】「銀行の社外役員に関する特別調査」公表、銀行・証券・保険会社など金融機関の役員・監査役・内部監査部門長を対象に「リスクガバナンス研究会」開催!

| by:サイト管理者



 2014年9月12日(金)、日本金融監査協会(IFRA)は、赤坂Bizタワー30階 トムソンロイター・セミナールームにおいて、銀行・証券・保険会社など金融機関の役員・監査役・内部監査部門長を対象に「リスクガバナンス研究会」(無料、昼食付き)を開催した。4回目の開催となる今回は「銀行の社外役員に関する特別調査」が公表されたほか、日本金融監査協会顧問/元金融庁長官 五味 廣文 氏、日比谷パーク法律事務所弁護士 松山 遥 氏、野村総合研究所 川橋 仁美 氏が、それぞれの立場から金融機関のガバナンス変革に向けた諸課題に関して講演を行った。

 会社法、東証上場規則の改正が行われ、コーポレートガバナンス・コードの策定に向けて有識者会議による検討も開始されるなかで、グローバル・スタンダードを目指して社外役員の設置・拡充が進む見通しにある。日本金融監査協会・リスクガバナンス研究会では、「銀行の社外役員に関する特別調査」を実施し、その結果を公表した。また、オリンパス事件などの不祥事件を契機にして、日本独自のガバナンス態勢の限界、問題点が海外で問題提起されるなか、経営者から独立した強力な監査を実施でき、シンプルで海外投資家にも分かりやすい委員会設置会社や、会社法改正で新しく機関設計された監査委員会設置会社への移行を検討する動きが、メガバンクや地域銀行などで広がる可能性を指摘した。




(特別調査の概要)
 ・既に9割の銀行が社外取締役を置いており、複数の社外取締役を置いた銀行も3割に達している。
 ・取締役と監査役を合計した役員の平均人数は14人。社外役員の平均人数は4人。社外役員の構成比率は27.2%とグローバル・スタンダード(半数以上)
  に比べて低い。
 ・ただ、社外役員の属性(出身)をみると、弁護士・公認会計士(28.8%)、産業界(28.0%)、官公庁(21.0%)、金融界(13.1%)、大学・マスコミ等(9.1%)
  などから多様な人材の受け入れが進み始めている。
 ・今後、社外役員を5~7人まで増やすことは十分に可能であり、社内取締役を執行役員にするなどの工夫で、社外役員の構成比を35%~70%と国際的
  に見劣りのしない水準まで引き上げることは可能である。

 日本金融監査協会は、今後、社外取締役・社外監査役の活動を支援するため、会員登録をした社外取締役・社外監査役に対して、リスクガバナンス研究会・特別研究会(参加費用無料)のほか、すべての研修セミナーへの参加を無償で認めるとともに、要望があれば、新規に研修セミナーを企画し、無償で提供するとした。


 日本金融監査協会顧問/元金融庁長官 五味 廣文 氏(※)が「構造改革下の金融機関経営」と題して基調講演を行った。金融庁が新たに公表した「金融モニタリング基本方針(監督・検査基本方針)」の背景と狙いについて触れ、監督局・検査局が統合・一体化した新体制の下で、これまで以上に金融機関のビジネスモデルの持続可能性と経営管理(ガバナンス)態勢の検証に重点が置かれるようになると述べた。また、ビジネスモデルの変革を進めるうえで、社外取締役は重要な役割を果たすが、金融以外の分野で傑出した実績をあげた外部人材を積極的に登用して、これまでにない視点からの問題提起を受ける姿勢が求められるとした。

(※)略歴:1972年東大卒・大蔵省入省、04年金融庁長官、07年退官、13年日本金融監査協会顧問



 日比谷パーク法律事務所 弁護士 松山 遥 氏(※)は「独立取締役の法的役割」について詳しく解説した。国際標準である「モニタリング・モデル」に立脚し、独立取締役は社外の立場から経営者による執行状況をモニタリングし、客観性・透明性のある業績評価を行うという役割を果たすことが求められているとの見解を示した。独立取締役が適正な業績評価を行うためには、①事業計画・業績目標の明確化、②業績評価基準の明確化、③業績評価をふまえた事業計画、業績目標の見直しルール、④経営者の指名・再任、報酬額の決定ルールを組織的に整備していく必要があるとした。

(※)略歴:1993年 東大卒、95年裁判所判事補任官、00年日比谷パーク法律事務所入所(現職)、14年 三菱UFJフィナンシャルグループ社外取締役就任



 野村総合研究所 川橋 仁美 氏(※)は「新経営テーマとしてのリスク・アペタイト・フレームワーク(RAF)の構築」について講演した。RAFは金融機関経営のモニタリング・モデルとして位置づけられる。海外の主要金融機関へのインタビューによれば、社外取締役がRAFを承認し、内部監査でRAFの機能度を検証するプラクティスが一般化しているほか、リスク文化の醸成などにもRAFを活用する事例がみられると述べた。


(※)略歴:1989年 銀行系シンクタンク、07年 野村総合研究所入社、上級研究員(現職)



(取材・撮影・記事・ 制作: 藤野 宙志、データ提供・編集:日本金融監査協会 @株式会社グッドウェイ

 
 
 「リスクガバナンス研究会」
2014年5月9日 開催
国際金融規制・監督の将来展望
 -リスクガバナンスの強化に向けて

金融庁 監督局総務課 監督企画室長 兼 健全性基準室長
石村 幸三 氏
  「リスクガバナンス研究会」
(2014年2月20日 開催)
平成25年事務年度 金融モニタリング基本方針
-内部監査・監査役に期待される役割

金融庁 検査局 審議官 兼 公認会計士・監査審査会事務局長
佐々木 清隆 氏

08:23 | 写真:金融・IT業界向け




 

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