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2016/03/22

【テクマトリックス】マイナス金利に伴うシステム対応を短期間でいち早く実施、デリバティブ商品評価・分析の世界標準「FINCAD」をベースとした日次市場リスク算出システム「Trading VaR」製品担当者に直撃インタビュー!

| by:ウェブ管理者



 2016年1月29日(金)、日本銀行は、政策委員会・金融政策決定会合において、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を発表、2016年2月16日(火)から適用した。日本銀行当座預金金利をマイナス化することでイールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買入れとあわせて、金利全般により強い下押し圧力を加えていくという。


 2016年3月2日(月)、グッドウェイは、金融機関及び企業財務部門向けにデリバティブ商品評価・分析の世界標準ツール「FINCAD Analytics Suite日次市場リスク算出システム「Trading VaRを提供しているテクマトリックス カスタムメイドソリューション事業部 カスタマーソリューション営業部 金融ソリューションチーム 特命課長 松井 智二郎氏を訪ね、マイナス金利に伴う影響とシステム対応について話を聞いた。



【グッドウェイ】 先日、FINCAD Analytics Suiteの最新版となるver.2016の販売を2016年3月1日(火)から開始すると発表がありましたが、概要について教えてください。


【松井】 「FINCAD Analytics Suite」は、金利、外国為替、債券、エクイティ、コモディティ、クレジット等の様々な種類の金融商品に対応すべく1,600を超えるライブラリを内蔵し、世界80ヶ国で35,000以上、国内でも2,000ユーザーを超えるお客さまがいます。デリバティブ商品の公正価値、リスク、キャッシュフローを正確・安価・迅速に計測する事を目的に、対外的な説明責任を担保する製品内ドキュメントを開示するなど、透明性の高い評価ロジックを用いた時価検証や市場リスク分析を実現する支援をさせて頂いております。


【グッドウェイ】 突然のマイナス金利導入の発表で、ユーザー側でも混乱が生じたのではないでしょうか。


【松井】 はい、発表直後よりFINCADユーザーからの問い合わせや緊急のマイナス金利対応依頼が殺到しました。テクマトリックスとしても状況をしっかりと捉えて統一見解を出すために全ユーザーを対象にヒアリングを実施し、「FINCAD」および「Trading VaR」へのビジネス的観点・システム的観点の双方への影響と対応方針について2週間ほどかけて整理しました。


 

【グッドウェイ】 具体的には、どのような影響が発生したのでしょうか。


【松井】 先ず、会計への影響です。3月末決算においては有価証券報告書にもかかわる時価評価も、システムとして、そもそもマイナスの値が入らない構造(エラーとして入力不可)になっており、計算が出来ないケースがほとんどでした。金利が、これまではマイナスの値になることを想定していなかったこともあり、「FINCAD」のようなライブラリツールのみならず、勘定系システムなど多岐に渡る領域でもこのような構造となっており、各社対応にあたっているものの多くの時間と費用を要するケースも多くあるようです。


【グッドウェイ】 評価モデル自体への影響もあるのでしょうか。


【松井】 一部の商品には影響が出ます。例えば、金利スワップションなど、対数正規モデルを使っているようなケースですと、マイナス金利のままでは計算が出来ませんので、正規モデルもしくはシフト型対数正規モデルでの計算ライブラリとマーケットデータの入手が必要となります。「FINCAD」はいずれのケースにも対応しており、「Trading VaR」については、3月末までにシフト型対数正規モデルに対応し、正規モデルは4月以降の対応を予定しています。


【グッドウェイ】 突然の発表(1月29日)そして適用(2月16日)されたマイナス金利に対して、とてもスピーディーな対応ができた要因は何でしょうか。


【松井】 テクマトリックスは小回りが利くところに強みがあります。また、既に海外ではマイナス金利への対応が進んでいたこともあり、タイミングも合っていたと言えます。足元では週ごとに刻々と状況が変わっていますが、3月末決算も迫っており、会計上にかかわる対応が最優先で対応する必要があります。すぐに対応ができない企業からは、緊急の代替手段として「FINCAD」による対応が出来ないかという多数のお問合せを頂いております。


【グッドウェイ】 さまざまなケースを想定しているはずのリスク管理も、実際には、日本国内においてマイナス金利を想定した十分な備えがなされていたとは言えない状況だったのでしょうか。


【松井】 今回は、まさか、という認識が多かったようです。0%フロアが付く変動債に対する会計監査上の否認の可能性や、預金・貸金に対するマイナス金利の適用による手数料導入の可能性のほか、短期金融市場の商品で運用されるMMFや長期資金を運用する年金基金などでも、解釈、対応、期間などにおいて異なるケースや副作用も出てくるものもあり、統一見解の基準が求められるところです。今後の運用においても、難しい時代になってきたと言えます。


【グッドウェイ】 世界的に見てもマイナス金利は広がっており、通貨安競争や世界経済への影響が懸念されます。


【松井】 国内はもとより世界的規模での制度改革が押し寄せる金融業界において、今回ご紹介した「FINCAD」や「Trading VaR」に加え、市場系業務統合ソリューション「Apreccia4」、統合ALM・リスク管理システム「ALARMS」など、多様かつ高度な知識と技術を要求される金融機関のニーズに対して、迅速にお応えしていきたいと思います。


【グッドウェイ】 製品紹介資料も刷新されたようですね。今後の取り組みと展開に注目しております。本日は、ありがとうございました。


【松井】 ありがとうございました。




 なお、2016年3月15日(火)、日本銀行は、当面の金融政策運営として、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を円滑に実施する観点から、実務的な対応を発表。①0%の金利を適用する「マクロ加算残高」の見直しを原則として3か月毎に行う、②MRFを受託する金融機関の「マクロ加算残高」に、受託残高に相当する額(昨年の受託残高を上限とする)を加える、③今後「貸出支援基金」および「被災地金融機関支援オペ」の残高を増加させた金融機関については、増加額の2倍の金額を「マクロ加算残高」に加算することとした。

 毎年バージョンアップしているFINCAD Analytics Suiteも、今回のver.2016では、海外で起きているマイナス金利対応の実績を基に、日本市場でも急遽導入されたマイナス金利情勢下においても速やかに対応することが可能になっているほか、主に金利オプション取引に対するShifted Lognormal手法への対応、OISカーブやLIBORカーブをより容易に構築できる機能向上など強化したという。2016年2月18日(木)~2016年6月30日(木)までの期間限定で、ver.2016リリース特別価格キャンペーンを実施中。

 テクマトリックスでは、今回、マイナス金利に関する資料を掲載した「FINCAD NEWS」のダウンロードサービスの提供を行っている。興味のある方は、ぜひダウンロードされたい。

(インタビュー、記事 : 藤野 宙志 /  撮影、編集・制作 : 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ) 





18:39 | 取材:金融・IT業界向け

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