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2017/11/02

【イプソス】顧客体験(CX)の観点から金融機関の取り組むべきアプローチを探る金融業界向けセミナー「金融サービスの潮流とこれからのCXマネジメント」をベルサール東京日本橋で開催!

| by:ウェブ管理者


 2017年10月18日(水)、世界第3位のグローバル・マーケティング・リサーチ会社であるイプソスは、金融機関向けのセミナー「金融サービスの潮流とこれからのCXマネジメント」をベルサール東京日本橋で開催した。

 同社は、本社のあるフランスを始めとする世界88カ国でマーケティングリサーチを展開する企業で、創業以来40年以上に渡りリサーチ・プロフェッショナルによる経営を行っている。

 今回、同社としては初めて国内の金融機関向けにセミナーを開催したもので、金融業界が取り組むべきテクノロジーの変化、顧客エンゲージメントの新しい流れ、CX(カスタマーエクスペリエンス/顧客体験)マネジメントの重要性、日本における市場調査事例と新しい調査手法等について、同社の専門家が講師として講演した。



【ベルサール東京日本橋】
日本橋駅直結、東京駅徒歩圏のイベントホール

 会場は、東京・日本橋のベルサール東京日本橋。2015年4月オープンで日本橋駅直結、東京駅も徒歩圏で、エリア最大級の1,300名収容のイベントホールと33パターンの会議室を合わせ持つ施設だ。 



【社長挨拶】イプソス株式会社 代表取締役 内田 俊一氏

 セミナーに先立ち、開会挨拶に立った内田氏は、来場への御礼の後、会社概要について紹介。それによると、同社は42年前にフランスで設立、現在88カ国のマーケットで事業を展開する世界第3位のマーケティングリサーチ会社で、特徴は「プロのリサーチャーによって運営し続けているグローバル企業では唯一の調査会社」だと述べ、「多くのリサーチ企業ではクライアントや業界ごとに対応のチーム編成をしているが、当社はソリューションごとにチームを編成し、専門的、特化的な体制を取ってサービスを展開していることが強み」だと語った。

 また、「世界中でテクノロジーを軸とした劇的な変化が起こっている中、本日のセミナーで話すことはすでに周知されていることも多々あると思うが、知っていることとアクションを起こすことはまったく別もの。テクノロジーによる変革が自分にとってどういう意味を持つのか、今、自分が何をしなければならないのか。10年後も第一線で活躍するために、自分視点に立ってこの2時間お付き合いいただきたい」と挨拶で述べた。




【講演】Global Head of Financial Services、Tony Smith氏「金融サービスの潮流とこれからのCXマネジメント」

 Smith氏は冒頭に内田氏同様、会社概要について触れ、グローバルでクライアントが5,000社以上、従業員16,000人以上、インタビュー件数は7,000万件を超えていることを紹介。金融専任チームが、世界中の国・地域においてファイナンシャルサービスに関するリサーチ業務に専念し、世界の大手銀行の80%とビジネスを行っていると述べた。

 講演では、利用者が日常生活にテクノロジーを取り込んでいることがファイナンシャルサービスの進化を促しているとして、金融機関はこのことをどのように利用すればよいかと語りながら、事例としてモバイルを取り上げ、利用者は金融商品を調べるのも利用・購入するのもモバイル経由で行っている点を強調。「モバイルはより進歩的になっており、すべてをこなせる一体型アプリも登場している」として、モバイル中心に進化を遂げている金融ザ―ビスの現状について解説した。また
、テクノロジーの進化とともに誕生した新しいビジネスモデルは従来のビジネスと競合するとして、日本での事例なども紹介した。

 さらに、金融サービスのオープンAPIに関する2017年のグローバル調査レポートとして、将来起こり得る変化が利用者にとってどのような意味を持つかを調べた「間近に迫るバンキング革命
(同社より11月初旬発表予定)」の一部を紹介。利用者にとってネットバンキングがどれほど魅力的か、どのような懸念事項があるが、どのようなプロバイダーからのサービス提供を期待するか、どういったプロバイダーを信頼できるかについてリサーチしたとし、その結果に対して日本の金融機関はどこまで準備ができているのかと問題提起も行った。その上で「インサイトと顧客体験マネジメントの新たな方法論を開拓するテクノロジー」として、新たな方法論を具体的に提案。今後ますますエモーショナルなつながりを持つフレームワークの構築が重要になってくると解説した。



【講演】イプソス ファイナンシャルサービス 水野 浩一郎氏「悪い体験をしたときの日本人の対応~アジア9カ国サービス体験の調査結果より~」


 水野氏は冒頭に、アジア9カ国のサービス利用者に対して金融を含めたサービス体験の調査結果と各国の比較について紹介。それによると、日本人は悪いサービス利用体験をした人が少ないものの、会社は悪い体験について気が付いておらず、解決に取り組んでいないと感じている人が多いと結果が出たという。一方で、利用者側も問題解決のために行動する人が少ないため、双方ともに努力しない結果に繋がってしまっているという。すなわち、日本人のサービス利用者は悪い体験をしても、そのことを会社に伝えないことが多く、何も言わないままサービス利用を辞めてしまうという結果を説明した。悪い体験をした人の利用意向が低くなる一方、よい体験をした人の利用意向はより高くなるという具体的データとともに、ブランド選定に対する個人的体験が強い影響を与えていると解説し、サービス品質の向上だけではなく、顧客視点からみた体験の良し悪しを把握することの重要性を訴えた。

 顧客体験価値の向上策として水野氏はサービス利用直後のアンケートを実施し、悪い体験にすぐに対処できる体制をとることや、ミステリーショッピング(覆面調査)によって競合を含めたサービスの実態を把握する手法を挙げた。リサーチャーの目線から自社サービスの弱みや改善点を鋭く分析、洗い出しを行ってサービス改善へ結び付けることも効果的と語って講演を終えた。



 講演後、質疑応答の時間も設けられ、参加者からの質問に対して講師が分かり易く回答した。

 金融サービスへのテクノロジーの活用が世界中で大きな潮流となるなか、金融業界を取り巻く環境の変化と今後の流れを解き明かしつつ、顧客体験の観点から金融機関の取り組むべきアプローチを探るとした今回のセミナー。同社では、不満があっても語らない「サイレントカスタマー」といわれる日本人利用者を対象に、その「特殊性」を踏まえて、いかにCS調査を利用して日本の利用者をロイヤル化するかのコツを共有するセミナーも追加開催する予定だ。

11月15日(水)追加開催「声なき声」を見える化するには、どうすればよいか?

(取材、撮影、記事、 編集・制作: 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )





11:07 | 取材:金融・IT業界向け

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